米豪軍事演習「タリスマン・セーバー」が7月14日にオーストラリア空軍基地で開幕(「タリスマン・セーバー」ツイッターより)

 2年に1度の米豪軍事演習「タリスマン・セーバー」は14日から、オーストラリア東部の沖合で始まった。オーストラリア当局は、同演習を通じて太平洋沿岸の防衛力強化に役立つよう意図している事を示した。海外メディアによると、今回の演習の主な目的は、中国共産党(以下、中共)をけん制するためだとみられる。

 今回の演習では、米軍は強襲揚陸艦「アメリカ」と固定翼機70機、ヘリコプター50機を派遣し、豪軍は駆逐艦「ブリスベン」、フリゲート「バララット」と強襲揚陸艦「キャンベラ」を派遣した。演習では、水陸両用の上陸作戦、地上部隊、都市部での作戦、空中戦および海上での作戦などが行われる。

 米豪以外、日本、ニュージーランド、カナダ、イギリスと韓国が初めて参加し、フランス、インド、インドネシアとドイツもオブザーバーとして参加した。演習に参加する部隊の総数はオブザーバーを含めて過去最大の約1万7000人に達した。

 一方、同演習が始まる前に、中共の情報収集艦「天王星」は演習付近の海域に近づき、16日にクイーンズランド州沖に到着する予定。オーストラリア放送協会(ABC)によると、「天王星」には高度な通信システムが搭載されており、無線信号の収集・傍受も可能だ。

 これに対し、オーストラリアのピーター・ダットン連邦国防大臣は、過去2回の「タリスマン・セーバー」演習でも同様の船が現れたため、中共の行動を予想したと述べたほか、これらの中国船の存在は「中国(共産党)の軍隊が、常にこの地域にいることを思い起こさせる」とも指摘した。

 スコット・ジョン・モリソン豪首相も14日、シドニーのラジオ局「2SM」のインタビューで、同中国船を「非常に警戒している」と述べ、「もちろん、我々と彼らはにらみ合っている」と付け加えた。

(翻訳・徳永木里子)