トランプ前米大統領(Michael Vadon, CC BY 2.0, via flickr)

 トランプ前米大統領は11日、保守政治活動協議会(CPAC)での講演で、過激な左派に米国を支配させないことを誓い、批判的人種理論やバイデン大統領を非難した。また、同日のCPAC世論調査で空前の支持を得た。

 トランプ氏は「今日ここにいる皆さんの手助けの下、われわれは過激な左派、社会主義者、マルクス主義者、批判的人種理論家を打ち負かす。そして国境を守り、左派の『キャンセルカルチャー(注)』を阻止し、言論の自由と選挙の自由を取り戻して米国を再び偉大な国にする」と述べた。

 同氏は、選挙が盗まれたという持論を強調し、報道しないソーシャルメディアや報道機関を非難した。「不正選挙を言うとキャンセルされる。残念ながらこの選挙では、候補者より投票カウント者の方がはるかに重要だ。これは米国の恥であり、確かに世界からの軽視を受けた」

 また、同氏は、テック大手に対する集団訴訟にも言及し、「彼らも憲法修正第1条の廃止に取り組んでいる。過激な左派とテック大手による言論の自由への攻撃は、違法・違憲であり、完全に米国の標準に準拠しない」と非難した。

 後に発表されたCPAC世論調査(参加者による投票)では、トランプ氏の支持率が98%という前代未聞の新記録となった。

 同世論調査によると、2024年の大統領選挙に出馬した場合、トランプ氏の支持率は70%にも達する。 2024年の大統領選挙にトランプ氏が出馬しない場合、3人の有力な候補者はそれぞれ、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏(68%)、マイク・ポンペオ前国務長官(5%)、トランプ氏の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏(4%)である。

 注:キャンセルカルチャー(cancel culture)とは、個人や組織、思想などのある一側面や一要素だけを取り上げて問題視し、その存在すべてを否定するかのように非難すること。 文化的なボイコットの一つ。 ソーシャルメディアの普及に伴い、2010年代半ばから多く見られるようになった。

(翻訳・徳永木里子)