中国雲南省瑞麗市は、新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19)の第4波が始まった。雲南中国共産主義青年団(注1、略称共青団)は11日、ミャンマー北部で特殊詐欺(注2)やオンラインカジノに従事していた容疑者らが、帰国して自首するために連日国境に並んでおり、流行の予防と制御に圧力がかかっていると指摘した。関連動画がネット上で話題になり、ネットユーザーは「奇観だ」と称した。
ミャンマー北部は近年、中国の特殊詐欺やオンラインカジノ集団の重要な居場所となっており、当局によると、少なくとも10万人以上の中国人が現地で犯罪活動に従事しているという。
雲南共青団は11日、「澎湃(ほうはい)新聞」を通して、リストに載せているミャンマーに滞在している不法出入国、詐欺、オンラインカジノなどの犯罪行為の疑いがある人に「期限付き帰国」をするよう要請した。従わなければ、行方不明者と認定し、「戸籍を廃止」することになる。
雲南共青団は、中国雲南省の国境に隣接するミャンマー北部の港で、数千人もの中国人が税関を通過して帰国するのを待っている、様子を撮影した動画をアップした。
瑞麗市の疾病対策予防センターのスタッフは、感染が爆発した後、24時間体制で稼動しているとし、「ミャンマーから自首してきた人だけでも、1日あたり100人近くいる。彼らのPCR検査をして、新型コロナウイルスに感染していることがわかれば、すぐに規定場所へ隔離しなければならない」と述べた。
ネット上の動画では、雲南省のある国境検問所で帰国する容疑者の人数が多すぎて、予防対策の手に負えないため、「1日150人の制限付きで、帰国申請を受け付けている」という掲示板を、設置せざるを得なかったことが紹介されている。「ミャンマーから帰国して自首する容疑者を毎日数量限定」という写真や文章が中国のネット上で話題となり、今年の滅多にない光景の一つとしてネットユーザーに笑われている。
注1:中国共産主義青年団(ちゅうごくきょうさんしゅぎせいねんだん)とは、中国共産党による指導のもと、14歳から28歳の若手エリート団員を擁する青年組織。 略称は共青団(きょうせいだん)。
注2:特殊詐欺とは、振り込め詐欺、オレオレ詐欺や「ニセ電話詐欺」などの、電話、テキストメッセージ、インターネット接続を主な手段として、被害者の財産やIDカード、銀行口座などの個人情報を取得する詐欺行為である。
(翻訳・吉原木子)