(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 習近平氏が1日、中国共産党(以下、中共)創建100周年で行ったスピーチにより、台湾との情勢の緊張感が高まった。そんな中、ハルビン工程大学は2日、中国軍隊の資金提供を元に台湾海峡で行っている、無人潜水機の研究プロジェクトを公開した。

 前身が「中国人民解放軍軍事工程学院」のハルビン工程大学は、学報で掲載した無人潜水機実験に関する文章で、「将来の潜水艦戦争における需要は、無人操作の研究に新たなチャンスを与えている」と述べた。

 ハルビン工程大学は、中国潜水艦研究の主要な機構となる。同大学の梁国龍教授らの紹介によると、無人潜水機は通常、単体行動だが、改装により巡視機隊を組むことができる。海底に設置され、戦時のみ発動する無人機もあるという。

 同大学の研究員は、無人潜水機の試験が行われている具体的な場所を明らかにしなかったが、論文の中にあるイメージ図を見ると、台湾海峡およびそれに近い福建省東部の海域である可能性が高い。無人潜水機は水深10メートルの位置で巡視を行い、魚雷を発射し模擬潜水機を命中させたという。

 2010年に、中共が初めて上記の実験を開放水域で行ったという。台湾海峡との緊張感が高まっている今頃に、同実験を公開した中共の意図への、憶測が飛び交っている。

(翻訳編集・常夏)