米国の36州と首都ワシントンD.C.(コロンビア特別区)の司法長官らは7日、グーグル(Google)がアンドロイド端末向けの「グーグルプレイストア(Google Play Store)」をコントロールし、反トラスト法に違反したとして提訴した。各州によるグーグルへの3回目の訴訟である。
ショーン・レイズ司法長官(ユタ州、共和党)とレティシア・ジェイムズ司法長官(ニューヨーク州、民主党)が主導し、反トラスト法に基づいてグーグルを提訴した。「グーグルプレイストア」がデジタルコンテンツや購読のアプリの開発者に30%の手数料を徴収するルールが主な標的である。司法長官らは、相場の3%の手数料に比べて、グーグルの「贅沢な手数料」がアプリ開発者に値上げをさせ、その結果、消費者の支出を増やしたと指摘した。
訴状では、「グーグルプレイストア」が米国におけるアンドロイドアプリのダウンロード数の9割以上を占めていると述べた。原告側は、アンドロイドスマートフォンのトップメーカーであるサムスン社を取り上げた。グーグルがサムスン独自の「ギャラクシー(Galaxy)アプリストア」を「グーグルプレイストア」の「ホワイトラベル(注)」にするために、奨励措置を提供し、サムスンを「味方に付けようとした」と述べた。グーグルはさらに、過去においてアマゾン社がアンドロイドシステムで、自社の代理店の展開を阻止した。
各州は、グーグルが違法に広告を「グーグルプレイストア」に結びつけ、独占的な利益をオリジナル機器製造業者と共有することで、競合するアプリストアの市場参入を抑制したことを示した。
グーグルは7日の夜にブログで、同訴訟を「おかしい」と述べ、自社のアプリシステムは「他のところよりオープンで選択肢が多い」と主張した。
注:ホワイトラベルとは、ある企業が独自で開発した製品やサービスを他の会社が、自分のブランドとして販売できる権利である。
(翻訳・徳永木里子)