株式会社リコーの本社ビル(東京都中央区)(イメージ:User Kure / CC BY-SA 3.0)
米中貿易戦争が各国企業にとって他人事ではなくなる中、ある日本企業は生産ラインを中国からタイに移転し、米中貿易戦争のリスクを減らす準備を進めているという。
事務機器を生産する日本企業のリコーは、1月5日、中国にあるコピー機の生産ラインをタイに移転する準備をしていると発表した。リコーは現在、上海と深圳で生産した複写機を米国に輸出している。
共同通信社は、リコーが生産ライン移転を最終決定すれば、早ければ2ヵ月後にもタイから米国への製品輸出が可能になると報じた。リコーが生産ラインを移転した場合、コピー機製造用の部品なども中国以外の地域から調達が行われる可能性がある。
リコーの代表取締役社長は、共同通信社とのインタビューで「米中貿易紛争は長期化が予想され、さらなる関税引き上げは会社に大きな打撃を与えるだろう」と語った。
リコーは2018年7月、広東省東莞市に百億円以上を投資し、新工場「リコー中国有限公司」(Ricoh Manufacturing(China)Ltd.)を設立し、事務機器を生産すると発表していた。同計画の実施状況は現在のところ不明だ。
(翻訳・柳生和樹)