米国はこのほど、500人以上の中国の理工(科学技術)系大学院生のビザ申請を拒否した。同ニュースは瞬く間にウェイボー(微博、Weibo)で掲載・拡散され、短時間で3.2億人に閲覧された。
中国共産党の公式メディア「チャイナ・デイリー」は6日、500人以上の中国の理工系大学院生が、米『移民国籍法』第212条(f)および大統領令第10043号に適合していないという理由で、米国大使館・領事館にビザを拒否されたと報じた。同理工系大学院生はこのほど連名で、中国人留学生に対する差別と抑圧の問題に効果的に対処するよう米国に求めた。
同報道によると、これらの500名以上の中国人学生は、いずれも米国で博士号や修士号を取得しようとしている大学院生で、主に電気・電子工学、コンピュータ、機械学、化学、材料科学、生物医学などの科学技術分野を専攻しているという。
中国共産党外交部の趙立堅報道官は6日、外交部の定例記者会見で関連質問を受けた。趙氏は「中国側は重大な関心を示し、米側に厳正な交渉を提起した」と主張した。
この事件はすぐに中国で話題となり、6日午後にウェイボーのホット検索にすぐに上り、閲覧者は累計3.2億人に達した。「チャイナ・デイリー」の公式アカウントのコメントは2万件近くに昇った。中国に対等制裁を勧めた人がいたが、多くのネットユーザーから「中国に留学したいと思うアメリカ人がどれだけいるのか?」という嘲笑が殺到した。
ロイター通信によると、昨年9月、1,000人以上の中国人が、留学生用のF1ビザや学者用のJ1ビザなど、「米国のビザを取得する資格に適合しない」という理由でビザが取り消されたという通知を受け取ったと報じた。ビザが取り消された学生の中には、ワシントンD.C.が対象とする「国防七子(注)」の付属高校に通っていた者や、それらの大学の中等教育機関で勉強していた者もいた。科学技術系のほかに、文系とビジネス系専攻の学生もいた。
同報道によると、米国の中国へのビザ発給数は、留学ビザ発給のピークである7月に145枚しかなく、過去最低を記録したという。
注:「国防七子」は、中国軍の技術研究を行う中国の7つの大学のことを指す。それぞれ北京航空航天大学、北京理工大学、ハルビン工業大学、ハルビン工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、西北工業大学である。
(翻訳・藍彧)