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 ドイツの退職した政治学者クラウス・L氏(男性、75)が、シンクタンクに勤務していたときに築いた政治的なつながりを利用して、10年近くにわたって中国共産党(以下、中共)のために海外でスパイ活動を行ったとして告発されたと、ドイツ連邦検察局が6日に発表した。同氏は5日に拘束され、6日にミュンヘンの裁判所に出廷した。

 ロイターに通信よると、クラウス・L容疑者は2010年に上海で学術交流の際、中共政権に招募(スカウト)された。その後、2010年から2019年にかけて中共の諜報機関に仕え続け、2019年11月までも、金銭や中国への渡航費と引き換えに定期的に情報を提供し続けていたという。

 同容疑者のスパイ行為は、2019年11月に暴露された。当時の彼は妻と一緒にマカオに密かに渡航し、中共の情報機関の関係者と会う予定をしていたが、連邦情報局(BND)がその状況を把握していた。今年の5月20日、ドイツでのネットワークを利用して中共政権に情報を提供して利益を得た「秘密スパイ活動」の罪で、検察に起訴された。

(翻訳・徳永木里子)