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 イスラム原理主義による武装集団タリバンは4日、アフガニスタン南部カンダハル州の要塞パンジュワイ地区を、占領したことが明らかになった。首都カブール近郊のバグラム空軍基地から、米国と北大西洋条約機構(NATO)の駐留部隊が撤収完了した2日後であった。タリバンは、5月上旬に米軍の撤退が始まって以来、アフガニスタンの農村部で領土奪取に努めている。

 パンジュワイ地区知事のハスティ・モハマド氏はAFP通信に、「タリバンは地区警察本部と州知事のオフィスビルを占領した」と述べた。

 米軍が撤収したこの数週間、アフガニスタンの複数の州では激しい戦いが繰り広げられており、タリバンは国内の紛争地域の4分の1以上を占領したと主張した。米軍は最近、カブール北部の主要空軍基地から撤収したため、タリバンは新たな領土奪取の作戦を強化するのではないかという懸念が高まっている。

 米軍の撤収について、バイデン米大統領は「予想通り、順調に進んでいる。9月11日が予定の撤退期限だ」と述べた。

 AP通信は先週、情報筋によると、撤収後も約650人の米兵が外交官の安全保障のためにアフガニスタンに留まり、カブール空港には数百人の米兵が、9月まで安全保障のために残ると報じた。

(翻訳・徳永木里子)