(微博より)

 広西チワン族自治区西部の一部の地域では最近、連日の大雨となり、局地的に豪雨による洪水で、数百万人が被災している。しかし、中国中央テレビジョン(CCTV)は、洪水の被害を見て見ぬふりをして、同自治区崇(すう)左市大新県内にある滝・徳天瀑布の水量が急増したために太陽光で形成された美しい「黄金の滝」を賞賛した。このような世論操作は、ネットユーザーから批判や嘲笑を浴びた。

 CCTVは3日、徳天瀑布(バンゾックの滝)の上流にある帰春川の水の流れが、上流からの水の影響で大幅に増加し、太陽光の下で水が黄金色に輝いていると報じた。同報道によると、凄い量の洪水は高さ70メートルの断崖から、3段に分けて起伏しており、圧倒するほどの気勢で、めったに見られない「黄金の滝」を形成し、多くの観光客を引きつけたという。

 しかし、中国の多くのウェブサイトに掲載されている関連動画と比較すると、CCTVが公開した広西チワン族自治区の「黄金の滝」の写真は明らかに処理されており、実際の徳天瀑布は黄河の水のように濁った色をしている。

 「災難を美談化」することはすでに中国当局の慣用な手段となっており、CCTVの報道にネットユーザーからは批判の声が殺到した。

 「泥の水は泥の水だ。黄金の滝なんて、概念をすり替えるな。記事を書いた人が飲んでみたら?金ピカになるかもしれない」

 「数百万人もの人が被災し、地元の人々の生活はどうなっているのか?CCTVは「黄金の滝」にしか関心がないのか?地方政府がお金を稼ぐために観光開発しているのか」

渇水期の徳天瀑布(黃雲紫水, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 他のメディアの報道によると、2日まで、桂林の北部と中部で集中豪雨の天気が続き、現在のところ、広西チワン族自治区桂林、柳州、梧州など10の都市と46の県で合計、105.1万人が洪水により被災しているという。

(翻訳・吉原木子)