赤ちゃんの靴下(イメージ / Pixabay CC0 1.0)
睡眠は人生の3分の1を占めています。 アメリカ国立衛生研究院によると、睡眠には脳や体の正常な機能を維持する役割があるといいます。なかなか寝られないことがある人も少なくありませんが、靴下を履いて寝るとすぐに寝られるかもしれません。そして靴下を履いて寝ると、他にも多くのメリットがあることがわかってきました。
靴下を履いて体の温度を調節しよう
靴下を履いて寝ると足が熱くなるという人もいますが、実は、夜は靴下を履くと体温が下がり、体の内部の温度調節に役立つのです。2007年の研究によると、夜に靴下を履いて寝る人は早く寝つけると判明しています。
人の平均体温は約37°Cと言われており、一日約1°C~2°Cで温度差があることがわかっています。実は、身体の中心温度は夜間に低下し、午前4時ごろに最低になります。手足が暖められると、手足の血の流れが増え血管が拡張するのですが、この時人の体は、皮膚を通じて熱を放出します。こうして体の中心の温度を下げて「寝るべき」と脳に伝え、睡眠の状態に入るよう導いているのです。
睡眠と体温の関係
体内温度は体内時計の影響を受けているため「概日リズム」とも呼ばれます。概日リズムによって、人は夜になれば眠くなり、朝には目が覚めるようになっています。
体温は昼になって次第に高くなり、夕方にピークを迎えます。これは、この時間が人間にとって「一番目を覚まして警戒しなければならない時間帯」であったからです。そして夕方になると体温が下がり、眠気が出るのです。
人が寝ている時、体温はピーク時より1°Cから2°Cほど下がります。これは、体がエネルギーを節約して、他の臓器を使用しているからだという説もあります。靴下を履いて寝れば「概日リズム」が早く達成されるので、簡単に眠れるというわけです。
良好な体温調節だけでなく、寝室の温度を少し下げるのもスムーズな睡眠の重要な要素です。20°Cぐらいの室温が最も良い温度と言われています。
他にもある!靴下を履いて寝るメリット
・更年期のほてりや紅潮を予防する
更年期の女性にはほてりや紅潮が現れてきます。突然全身が発熱して発汗し、心悸を感じることもあります。これはホルモンバランスが崩れ、体の温度制御に影響を与えているのが原因です。靴下を履けば夜に体温が下がるので、紅潮の改善が期待できます。
・レイノー病の症状を改善する
常に手足が冷えている人は「レイノー病」にかかる可能性が高まります。レイノー病は皮膚の血管に影響を与える病気で、寒さやストレスを感じる時に発生します。発作が起こると、手足の末端の血管が過度に収縮し、手足の血流が少なくなり、指と足の指が寒さやしびれを感じ始め、手が白や紫色になることがあります。
レイノー病の兆候が初めて発生した場合、早めに医師の治療に行くのが重要です。家にいるときは、寝ている間も靴下を履いて症状を軽減し、常に足が暖かい状態にしましょう。
靴下を履いて寝るのは好きじゃない!という方もいるでしょう。では、こんな方法はいかがですか?
以下のような方法でも靴下を履くのと同じ効果を得ることができます。
1. 寝る前、お湯に足をつける。
2. 夜は暖かいスリッパを履く。
3. 足のそばに湯たんぽを置く。
4 . 寝ているとき、足に多く毛布をかける。
5. 寝る1〜2時間前に熱い風呂に入る。
足の血液循環に影響を与えないよう、睡眠中に着用する靴下はきついものを選んではいけません。また、医師の指示がない限り、寝る際には圧縮ストッキングを着用しないようにしましょう。
(翻訳・柳生和樹)