湖北省のある職業訓練学校はインターンシップという名目で、実習生を深圳の工場に派遣した。工場では重い運搬作業を強いられ、ある実習生は過酷な労働に耐えられず、飛び降り自殺した。中国教育界の関係者は外国メディアに、実習生を安価な労働力とする現状を明かした。
ある記者が6月29日に中国のソーシャルプラットフォームで公開した情報によると、飛び降り自殺したのは、湖北省丹江口市職業訓練学校に通う17歳の余銘さんである。 余銘さんは25日、深圳のある工場の6階から飛び降りた。
同記者はまた、余銘さんの父親からのメッセージも公開した。「息子を含む100名以上の職業訓練校の2年生(平均年齢17歳)が深圳の工場に派遣された。工場側の厳しい管理の下、実習生らは2つのグループに分かれ、毎日10時間以上働かされ、病気や怪我をしても休めなかった。さらに、彼らはわずかな給料の半分近くも学校側に納入しなければならない。そうしなければ、卒業証書がもらえない。」
余銘さんの親友が公開したウィーチャットの記録によると、余銘さんは自殺前に、インターンの担当先生に「学校側と工場側の言うことを聞かなければ、退学処分になる」と脅された。
高校教師を勤めている王先生は、ラジオ・フリー・アジアの取材に対し、職業訓練という名目で、社会の底辺にいる子どもは金儲けの道具にされていると指摘した。「彼ら(実習生)は通常、一年から一年半の授業を受けて、残りの時間は工場で実習させられる。彼らは実際には労働者の役割を果たしている。工場から支払われる給与は通常2000元ぐらい(約34000円)で非常に安い。また、月給の約4分の1が学校に返還される。すなわち、学生をただの労働力としてこき使っている。募集担当者と学校の指導層は吸い上げたお金を分けた。彼らは共同利益で結ばれており、実習生がどんな技術を学んだのかは、彼らの関心事ではない。」
類似の事件は以前にも起きている。山東省職業学校に通う16歳の李致材さんも昨年9月末、毎日10時間以上の過酷な労働に耐えられず、江苏省(こうそしょう)昆山市のある工場から飛び降り自殺した。
(翻訳・吉原木子)