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中国が200人以上のカナダ人を拘束したことに対し、カナダは自国に不法滞在している中国人を拘束し、強制送還の準備を進めている。カナダメディアが近日報じた。カナダ当局は、違法に永住権を取得した160人の中国人移民の帰国を命じていましたが、最近、2,000人以上の人々が強制送還されることが明らかにされている。
カナダメディア「トロントスター」の報道によると、約200人のカナダ人が中国で拘禁されていることをカナダ当局が把握している。今月初め、中国政府は元外交官のMichael Kovrig氏とMichael Spavor氏、そしてSarah McIver氏を相次いで逮捕した。
カナダ国境サービス庁(CBSA)によると、カナダで違法滞在し強制送還される予定の者は15,000人以上に上る。 その中でも中国国籍の者が最も多く、合計2066人だ。
北京側は、カナダ人のMichael Kovrig氏とMichael Spavor氏の逮捕は主に「国家安全保障に対する脅威」によるものだと指摘した。カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は、3人目であるSarah McIver氏の逮捕につい、前の二人の拘留事件と違い就労ビザの問題により拘束されたと述べた。
米国の要請で孟晩舟氏を逮捕した後、Sarah McIver氏の逮捕をめぐって多くの人が懸念を表明した。トルドー首相は、この問題が拡大されたり「政治化されたり」したとしても、何の利益もないと述べた。カナダ人が解放され、安全に彼らの家に帰るという最終目標を妨げるからだ。
人質外交
19日、3人目のカナダ人Sarah McIver氏が逮捕されたことを、カナダのグローバル連携省(GAC: Global Affairs Canada)のスポークスマンが明らかにした。Sarah McIver氏はもともと中国で英語の教師をしていたが、就労ビザの問題で拘留された。中国の動きは、カナダに対する報復としての「人質外交」であるとして、国際世論の非難にさらされている。
ジョージワシントン大学ロースクールの教授であるドナルドクラーク(Donald Clarke)氏はワシントンポスト紙に寄稿し、これらの逮捕されたカナダ市民に対する北京の主張は単なる言い訳であるとした。中国がこれらの罪のない人々を人質とし、ファーウェイの最高財務責任者孟晩舟氏を米国に引き渡さないようカナダ当局に圧力をかけている。
カナダの中国大使はこれを認めただけでなく、「孟氏の拘禁に対する報復行為について北京政府を非難する者は、カナダの行為についてまず反省すべきだ」と主張した記事をカナダの「グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)」に掲載した。
Donald Clarke氏は、中国がカナダ国民の拘留について語るときは孟晩舟事件と併合して語っているため、カナダ人の逮捕は報復であることは明らかだとした。
Donald Clarke氏は、中国は「人質外交」を一つの手段と見なしていると指摘、カナダ人に対する拘束に対し抗議を表明するよう求めた。そしてこのような不幸が一部の運が悪いカナダ人やアメリカ人にだけ起こると考えてはいけないと警鐘を鳴らした。
(翻訳・柳生和樹)