6名の首相候補(ブダペストのカラーチョニ・ゲルゲイ市長のFacebookより)

 ハンガリーのオルバーン首相と総理の座をかけて争う首相候補6名は22日、そのうち1人が当選した場合、中国復旦大学分校設立とブダペスト・ベオグラード間鉄道を含む2つの大型中国資本プロジェクトを即刻中止するという主旨の書簡を連名で書き、習近平総書記に送ったと宣言した。

 ハンガリー政府は、もともと大学の町を計画していた敷地を中国復旦大学ハンガリー(ブダペスト)分校のために使用している。推定建築面積は52万平方メートル、敷地面積は26エーカーで、さらに周辺の公園や緑地のために40エーカーの土地を確保している。この巨大なプロジェクトの費用は16.87億ドル(1869千万億円)に達すると見積もられており、これはハンガリーの20数校の公立大学の年間運営費の合計を上回る額である。

 ハンガリーの首都ブダペストで先月、オルバーン首相による中国復旦大学の分校を当市に建設することに抗議する大規模デモが行われた。

 市民の抗議運動に加えて、ブダペストのカラーチョニ・ゲルゲイ市長、左翼自由民主連盟のクララ・ドブレフ候補、自由派のモメンタム運動のリーダーであるアンドラーシュ・フェケテ-ジュール氏をはじめとする6人の首相候補は、来年の総選挙でオルバーン氏と競争することを計画している。これはオルバーン氏が2010年に政権を握って以来、ハンガリーの野党が意見の相違を乗り越えて団結したのは初めてのことである。

 習氏に宛てた連名の書簡では、「6人の誰が首相になっても、大多数の有権者の明確な意志を尊重し、ハンガリーの復旦大学分校設立とブダペスト・ベオグラード間鉄道を含む2つの大型中国資本プロジェクトを即刻中止するという合意に達した」と書いた。

(翻訳・吉原木子)