中国国営テレビ局傘下にある中国環球電視網(CGTN)の元社員12人は19日、知られざるCGTNでの仕事の流れ、及び彼らが中国共産党(以下、中共)「大外宣(対外プロパガンダ)」での仕事経験を暴露した。
CGTN は、中国共産党(以下、中共)が国際社会で展開する「ソフトパワー」を高める主要な一環であり、政治的な浸透のための、重要なプロジェクトであるとみなされている。中共はCGTNに多額に投資してコントロールしており、24時間放送している番組の内容が、ほぼ北京の本部で制作されている。
フィナンシャル・タイムズ紙19日の報道によると、12人のCGTN元社員はインタビューで、CGTNの知られざる仕事プロセスや中共の「大外宣(対外プロパガンダ)」での仕事経験を明かした。
2016年から2019年までCGTNで働いていたゲイリー・アングルブラント氏は、「ニュース放送ルームには常に2、3人がいる。すべての原稿は中国のライターから外国人編集者に渡され、英語をより自然に聞こえるようにタッチアップしてから、先生(と呼ばれる北京ニュース編集部の検閲者)に渡される。先生は原稿の政治性が正しいかどうかを確認する」と述べた。
ワシントンD.C.のCGTN元高級編集者は、「北京から赴任してきた幹部は、記事などの報道に対する管理が非常に厳しい。中国(中共)に対するネガティブなニュースや内容などが、放送されることは決して許されない」と述べた。
米シンクタンクであるピュー研究所の調査によると、中国(中共)に対して「好意的」な見方を持っている人の割合は、特にCGTNが業務を展開している国を中心に、ここ10年間で劇的に減少しているという。
フィナンシャル・タイムズ紙は、このように客観的な報道が許されないやり方で、外国語メディアへの巨額の投資を利用して、国際的なイメージを改善させようとする北京の試みが、ジレンマに陥っていると報じた。
(翻訳・徳永木里子)