新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の武漢ウイルス研究所流出説が支持を集めている中、フランスの科学ジャーナリストが、欧米複数の著名な科学雑誌が以前発表した内容に疑問を呈した。
ラジオ・フランス・アンテルナショナル (RFI)20日の報道によると、仏紙「ル・モンド」の科学ジャーナリストであるステファン・フーカー氏は、欧米の複数の著名な科学雑誌が研究所流出説を不当に評価し、北京当局に「同調した愚か者」になっていると、指摘した記事を発表した。
『新型コロナウイルスと北京に同調した愚か者』と題された記事によると、1年前からほぼ科学的コンセンサスとなっていた「新型コロナウイルスは動物によって自然感染する」という仮説が、一般的な仮説に成り下がった。1年前と同様に今日も、研究所流出説に関する決定的な証拠は、発表されてはいない。しかしながら流出説は復活してかつてないほどの正当性が持たされている。
しかし、「ランセット」誌は2020年2月19日、27人の科学者による書簡を掲載した。新型コロナウイルスは自然界から来たものではないという陰謀論を断固として非難し、新型コロナウイルス研究所流出説の可能性を排除した。それ以来、ウイルスが事故によるものかどうかの議論はタブー視された。
フーカー氏は「科学者や研究者は何ヶ月もの間、科学的な議論は自由であると信じていたが、実際には、研究所流出説は組織的に破棄された」と指摘した。
フーカー氏の記事によると、英紙「インディペンデント」の元副編集長で、現在はフリージャーナリストであるイアン・ビレル氏が、デジタルマガジン「UnHerd」で、「確実で信頼できる証拠がないうちに北京の主張に同調した一流の出版物らは、コロナ起源の隠ぺいに加担した愚か者の役割を果たしたのではないか」という疑問を呈した。
(翻訳・徳永木里子)