(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 人権侵害が広範囲に行われている中国では、中国当局が反体制派への迫害に、機密の拘束方法を長い間にわたり濫用していることが明るみに出ました 。

 スペイン・マドリードに本部を置く人権団体「Safeguard Defenders」は、21日に公表した調査報告書の中で、中国の司法当局は多くの人に対して組織的に「指定居所における居住監視」(RSDL・隠された刑務所 )という人権侵害を行っていると明かしました。

 RSDLは捜査の名の下、当局が裁判所令状なしで対象者を秘密の場所に隔離し、尋問するために用いる勾留措置です。対象者を弁護士や家族から切り離すだけでなく、時に暴力や脅迫、拷問を伴います。

 同団体は2013年、中国は法律を改正し、監視の目が行き届かない警察の権限を大幅に拡大したことによって、RSDLは、中国で毎年何千人もの人々に対して行っている「国家公認の拉致システム」だと指摘しています。また、2021年6月1日時点で、2013年以降のRSDLによる被害者は最大で約6万人に上る可能性があるといいます。

 RSDL は人権弁護士や法輪功学習者、ジャーナリスト、外国人を含む中国の政治犯罪を犯したとして起訴された人々に頻繁に適用されています。

 同報告書によると、RSDLの被害者は警察署や拘置所以外の施設で行われるという性質上、映像はもちろん、被害者の居場所に関する情報もほとんどなく、国家安全保障上の理由で、通常機密にされているため、被害者は行方不明となることが多いです。また、このような(中国の)慣行に異議を唱えなければ、他の国にも広がる危険性があると指摘しています。

 同団体が国連に送付した書簡によると、同報告書は中国で失踪と拷問の両方が組織的かつ広範に行われていることを証明しているといいます。国際法では、広範囲かつ組織的な強制失踪や拷問は、「人道に対する罪」にあたります。

(新時代Newsより転載)