(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国第二軍医大学が最近発表した臓器移植の研究では、倫理観を無視した残酷なものであったため、世間を驚かせた。同研究は3〜4匹のメスネズミを犠牲にしてオスネズミを妊娠させ、10匹の子ネズミを産ませた。

 同研究は「生命科学(BioRxiv)」のプレプリントページに掲載され、すぐに中国のメディアに大いに取り上げられた。

 報道によると、オスネズミを外科手術で去勢し、その体をメスネズミにくっつけて「結合双生児(シャム双生児)」を作るというもので、血液を交換してオスの体内でメスの環境を作ることを目的としているという。8週間後、オスに子宮移植を行う。オスネズミが回復した後、オスの子宮内に受精卵(胚)を移植するとともに、対照としてメスの体内にも受精卵を入れる。

 実験の成功率を高めるために、研究チームは合計46組の結合したネズミを作り、562個の受精卵をメスの体内に、280個の受精卵をオスの体内に移植した。

 妊娠21.5日後、メスネズミの子宮では169個の受精卵が正常に成長したのに対し、オスネズミの移植した子宮では27個の受精卵しか正常に成長しなかったことがわかった。

 妊娠したオスネズミを帝王切開したところ、10匹の子ネズミが生まれた。同研究論文は、10匹の子ネズミが「臓器の状態が良く、性的にも成熟している」と発表した。

 同論文はまだ査読(研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証)を受けていないため、正式には発表されていないが、内容があまりにも恐ろしいものであるため、すでに騒ぎを呼んでいる。

 あるネットユーザーは、あまりにも残酷な実験だと怒りの声を上げた。「1匹のオスネズミに対して4匹のメスネズミが使われている。1つは子宮提供のため、1つは妊娠させてオスと結合して血液の流れを提供している。もう2つは結合したオスとメスにそれぞれ受精卵を提供している」さらに、「人類の幸福のために何の意義があるのか、人間らしいことはできないのか」と中国のいわゆる学者らに問いかけた。

 他の専門家からは、去勢したオスネズミ、移植された子宮、共有された血液系を用いた実験は、理論的には外付けの子宮を直接設置するのと大差なく、実際には「オスネズミが妊娠して出産する」という本当の意味とはかけ離れているという意見も出ている。

(翻訳・藍彧)