フラグシップモデルであるMateシリーズの「HUAWEI Mate 9」(イメージ:Shwangtianyuan / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
今月17日、チェコ共和国の「サイバー情報セキュリティ管理局(NCISA)」は、安全保障上の脅威のため、ファーウェイ及びZTE製品を使用しないよう求めるとともに、官民を挙げて適切な対策を講じるよう声明を発表した。またインドの「電気通信輸出促進協議会(TEPC)」は、インド安全保障担当顧問に書簡を送り、インド当局はファーウェイの通信機器の使用禁止を検討すべきである旨提言した。 米国、日本、韓国、ニュージーランド、オーストラリア、ドイツ、フランス、英国、ノルウェーなどの国々がファーウェイ製機器をボイコットしたのに続き、他の国々も規制を強め始めている。
報道によると、インド当局はファーウェイに対し、自国の5Gネットワーク試験に参加するよう求めていた。 しかしTEPC会長は「ファーウェイ社の装置はインド国外から遠隔操作が可能であることが判明しています。ファーウェイの製品は公的機関だけでなく、敏感な政治問題を抱えるインド北東部でも採用されています」、「 我々は国家安全保障担当顧問への書簡を作成しており、主にセキュリティの観点から中国製の機器に制限を課す必要性を指摘する予定です」と語った。
現在、チェコの一部でも5Gのテストが行われている。このテストを行うため、チェコの通信会社「CETIN」を所有する国際投資グループ「PPF」は、ファーウェイと5Gに協力する覚書を締結していた。
NCISA局長は「チェコ政府及び我が国同盟国の調査によれば、中国の法律は自国の民間企業に対し諜報機関との協力を要求しています。我が国の重要な情報インフラ事業者は、中国の脅威に対処するため適切な措置を取る必要があります」との方針を説明した。
オーストラリア、韓国、ドイツ、フランス、英国、ノルウェー、日本などがファーウェイを排除
オーストラリアは8月、ファーウェイに5Gへの投資を禁止した。そして9月15日には、韓国最大の通信事業者SKテレコムが5G機器の優先入札企業としてサムスン、エリクソン、ノキアを選択し、ファーウェイは入札の取得に失敗したと発表した。
ドイツテレコム社やフランスのOrange SA社、イギリスのブリティッシュテレコム社などの世界各社から、「ファーウェイの5G通信機器は採用しない」との声明が発表されている。またノルウェー政府は、将来的に自国のセキュリティ政策に協力しない国のメーカーが生産する通信機器は購入しないと述べている。フランス政府も同様の姿勢を取っているが、もちろんこれは中国とファーウェイを想定するものだ。
そして12月10日、日本政府は5Gネットワーク機器の購入リストからファーウェイとZTEを削除するという「大きなメッセージ」を発表した。
スイスのミラバウド証券のアナリスト、ニール・キャンプリング氏は、「ファーウェイ社の中国市場以外の見通しは非常に悲観的で、その混乱の結果にかかわらず、同社の評判は大きく失われるでしょう」と語った。
ヘイデン前CIA長官「ファーウェイは北京のスパイ機関」
日本のフジテレビは、12月11日、ある自民党関係者が「ファーウェイの機器には『不要な部品』、つまりスパイチップが含まれている」と語ったと報じた。
昨年10月初旬、米中央情報局(CIA)が発表した情報報道によると、ファーウェイは中国の諜報組織との関係を有しており、同社は中国政府から2億5000万ドルを受け取ったとしている。
ファーウェイは中国人民解放軍と深い関係を持っている。CIAの前長官であるマイケル・ヘイデン氏は、すでに2013年7月、ファーウェイが中国共産党のスパイ機関であると警告していた。
(翻訳・柳生和樹)