中国の経済学者鄭翔洲氏(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国ビジネスレビュー誌「商界評論」のチーフエコノミストで、投資持株グループ「優勢資本」のパートナーでもある鄭翔洲氏が最近、中国共産党幹部の演説について分析した動画が、インターネット上で議論を呼んでいる。鄭氏は、中国共産党体制下の幹部は、真実も虚言も語れず、無駄話しか語れないと指摘した。

 鄭氏は「優れたリーダーは勝手に真実を語ってはダメだ。なぜなら、真実を語るとデータを漏らしてしまう。かといって、虚言を言うこともできない。一度虚言を言ってしまうと、人に信用されなくなってしまう。真実も嘘も言えないならば、無駄話を言うしかない。 そのため、位が高ければ高いほど、くだらない話に長けているわけだ」と述べた。

 鄭氏はまた、人民大会堂で行われた3回の会議に言及した。毎回隅にいる秘書から拍手し始めるので、秘書の書類を自分の書類と比べたところ、秘書の書類には「ここで拍手を」「ここで長めに熱烈な拍手を」とメモしていることがわかった。すべてマニュアル化されており、中国で秘書をすることがいかに難しいかがわかったという。

 鄭氏の評論動画は瞬く間にネット上に広まり、話題となった。「毎年、両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)では、幹部の公式な決まり文句が、ジャーナリストを失望させている。 彼らはまるで同じ先生に習った学生のように、官製の決まり文句や無駄話で溢れている。『情勢は素晴らしく、輝かしい業績であり、民衆は満足し、未来は明るい』などと異口同音だ。彼らの口から少しでも自身の意見を引き出すことは本当に難しい」というコメントも見られる。

(翻訳・徳永木里子)