30カ国の首脳が参加する北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が14日、ベルギーの首都ブリュッセルで開幕した。関係者によると、同会議の共同声明では、中国共産党(以下、中共)を安全保障上の最大な脅威とし、中共政権の軍事的台頭を初めて「体制上の挑戦」とみなしたという。
共同声明には、「中共の露骨な野心と強硬な行動は、ルールに基づく国際秩序とNATOの安全保障に関連する分野への体制上の挑戦である」と書かれている。「我々は、権威・専制的な大国との体制上の競争や、あらゆる戦略的な角度から、増えつつある我々の国家・国民の安全保障への挑戦など、様々な脅威に直面している」
NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は「NATOは中共の様々な形での西側進出、バルト海からアフリカまで軍事的存在感を高めていることに備えなければならない」と述べた。また、ストルテンベルグ氏は、中共が香港での民主化デモ、ウイグル人などの少数民族への弾圧、ハイテクやSNS、顔認証などを利用した国民への監視に、かつてないほど力を入れていると指摘した。したがって、中共に対抗する政策を強化することの重要性を強調した。
もともとロシアに対抗するために設立されたNATOは今、日増しに増大する中共の影響力に目を向け始めた。これを「歴史的な境目」と捉える欧米メディアもある。
(翻訳・徳永木里子)