インドメディア 「TFI Global」の7日の報道によると、中国の習近平総書記はオーストラリア(豪州)への制裁として、鉄鋼製造に不可欠な鉄鉱石や石炭などの原材料の同国からの輸入を禁止したため、世界の鉄鋼市場で覇権を握っていた中国の鉄鋼業界は現在、危機に瀕しており、崖っぷちに立たされています。ベトナムはこの機会を利用して、豪州と連携し中国に取って代わる準備を進めています。
中国は2019年、世界の鉄鋼生産量の53.3%を占め、2020年には初めて10億トン以上の鉄鋼を生産する国となりました。しかし、習近平総書記は中国の鉄鋼メーカーが豪州の鉄鉱石や石炭を使って鉄鋼を製造することを禁止することで、産業全体を崩壊の危機に陥れました。そのなか、ベトナムが頭角を現しました。
日経の英文版「Nikkei Asia」の報道4日付によると、ベトナムの鉄鋼最大手「 Hoa Phat 」グループは、豪州北部にある埋蔵量が推定約3億2000万トンの「ローパーバレー鉄鉱石鉱山」の全権益を取得しました。鉱山の鉄鉱石の年産能力は約400万トンで、同社の高炉での年間使用量の約40%に相当します。 Hoa Phat 社は、年1000万トンの鉄鉱石を海外から調達しています。世界最大の鉄鋼生産国である中国の増産が続いており、原料確保の点から、以前から自前の鉱山の権益獲得を目指していました。 鉄鋼主要原料の原料炭の権益取得も豪州で検討しています。
習近平総書記が豪州から石炭と鉄鉱石の輸入を停止させた主な動機は、豪州の経済に打撃を与えることでした。しかし、中国なしでも、豪州は新しい貿易相手を見つけました。ベトナムの動きについて、 TFI Globalの記事ではベトナムは一石二鳥の効果を発揮しているといいます。ベトナムは鉄鉱石鉱山全体の権益を獲得し、石炭についても同様に計画することで、一つは、豪州を経済的に支援できます。二つ目は、中国の鼻を明かし、鉄鋼製造における中国の覇権が解体されるように働きかけていると分析しました。
中国では現在、鉄鋼原材料不足で関連製品の価格が高騰しており、その影響は建設業界にも波及し、一連の弊害が起きています。また中国では以前、一部の都市が停電し、暗闇に包まれ、何百万人もの中国人が寒さに震えていました。最近では、中国南部の産業や工場は、電力消費を制限するようにと要求されています。その原因はやはり中国では火力発電の十分な供給ができていないのに、豪州の石炭の輸入を禁止したからだと言われています。
ベトナムは今後、必要な資材を直接豪州から調達することで、中国に対し、豪州など同様の民主主義勢力と共に、あらゆる分野で中国に対抗する準備ができているという厳しいメッセージを送りました。
(新時代Newsより転載)