中国の大学入学試験は7日に始まった。中国教育部の統計データによると、今年の受験生数は1,078万人である。7日午前、最初の国語の試験が終わると、全国各地の作文タイトルが例年通り相変わらずウェイボー(Weibo、微博)の検索ランキング上位に入った。
情報筋によると、今年の大学入試は中国共産党(以下、中共)の党創立100周年の時期と重なっているため、国語試験問題は全国で8セットあるが、すべてのタイトルは中共創立に関連するものであったという。そのうちの1つでは、なんと「党の歴史や烈士の功績を振り返る」というタイトルであった。中共が政治的な洗脳を強化するために、大学入試を利用していると考える専門家もいる。
中国の公式メディアである中央テレビ(CCTV)や「澎湃新聞」によると、教育部が作成した作文問題では、「中共が歩んだ100年の歴史」をテーマとして、受験生に党の歴史、党を賞賛する歌・文学作品、及びいわゆる烈士の功績などを振り返るよう求め、「我々は大きな期待が寄せられる時代にいる」と主張している。受験生に「有為的であることができる」というテーマで作文を書かせた。
中国専門家の李軍氏は「中国の大学で学ぶ中共の歴史はもともと捏造されたものであり、今、当局は若者の将来につながるハードルである大学入試を利用して洗脳を強化しようとしているが、それは際限なく目的を達成するための洗脳とも言える」と述べた。
「中国の大学生が長年学校で学んできた中共の百年歴史は、中共が植え付けたものであり、本当(真実)の歴史ではない。自分の学生時代も大学卒業の時もある意味小粉紅(注)であった。中共が今、大学入試で行っていることは、洗脳を強化していることであり、政治的な試験問題で中共が信じている中共の百年歴史を強化しているのだ」
注:小粉紅(しょうふんこう、シャオフェンホン)とは、中国語では「ピンクちゃん」に等しく、「未熟な共産主義者」であるという意味で使われている。
(翻訳・徳永木里子)