中国国家衛生健康委員会(NHC)は1日、東部の江蘇省の男性(41)が鳥インフルエンザウイルス「H10N3型」に感染し、ヒトへの感染が、世界で初めて確認されたと発表した。当局はこの男性がどのように感染したのか詳細は明かさなかったが、ただ男性が退院できる状態であることや、男性との濃厚接触者らに異常は見つかっていないと強調した。

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 NHCは、H10N3型は低病原性、または比較的重症度の低い鳥インフルエンザウイルス株であり、「今回の感染は偶発的な鳥類からヒトへの感染であり、大規模に流行するリスクは極めて低い」と付け加えた。

 国際連合食糧農業機関(FAO)傘下の国連「越境性動物疾病緊急センター(ECTAD)」のコーディネーターであるフィリップ・クラエス(Filip Claes)氏は、H10N3型は「一般的なウイルスではない。2018年までの40年間で報告された症例は約160件に過ぎないとしている」と述べた。同氏は、中国での症例のウイルスが新型であるかどうかを確認するために、その遺伝子を分析する必要があると考えている。

(翻訳・徳永木里子)