マレーシア空軍(RMAF)は1日夜、Y-20やIL76機などの中国軍機16機が5月31日にマレーシア防空識別圏(ADIZ)に侵入したと発表した。侵入した中国軍機は、南シナ海に隣接するボルネオ島やサラワク州の沖合上空、23,000〜27,000フィートの高さで「縦隊」の隊形で飛行していたという。マレーシア空軍は急遽出動し中国軍機を止め何度も警告したが、無視された。

 マレーシア軍は、中国機の行動は非常に「疑わしい」ものであり、国家主権と航空安全に対する深刻な脅威であると表明した。マレーシアのヒシャムディン・フセイン外務大臣は外交文書で中国共産党政権に抗議し、中国の駐マレーシア大使を召喚する予定だと述べた。

 中国大使館は以前、中国機は「飛行訓練」を行っており、他国の領空を侵すことはなく、国際法を「厳守」していると回答していた。

 南シナ海の領有権は長年にわたって争われている。中国とマレーシアのほかに、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、台湾も同海域の部分的な主権を宣言している。フィリピンは今年3月以降、中国の民兵漁船数百隻が同国排他的経済水域に繰り返し侵入していたことに抗議したが、中国共産党政権は漁民が「避難している」と回答していた。

(翻訳・藍彧)