中国共産党(以下、中共)政権支配下の中国では、奇怪千万なことが毎日のように発生しています。最近、四川省成都市で高校2年生が校庭で建物から転落死する事件が発生し、政府が遺体を遺族に返してくれなく、死亡原因についても納得できそうな解釈がなく、事件を広めると罰すると学生に警告したため、遺族と市民が校門前に集まって真相を求め、警察が市民を殴ったり、連行したりする事件が発生しました。今日は、この不審死事件について話します。まず、事件の経緯について簡単に説明し、次に、現在言われているいくつかの死亡原因についてはなし、最後に、死亡原因についての私個人の考えを述べます。
事件の経緯
5月10日朝、「人生は泡のようなものだ」というネットユーザーが、ソーシャルメディア・ウェイボで全国を沸き立たせるような情報を掲載しました。この情報を掲載したのは、死者の17歳の林唯麒・林君の母親で魯さんです。林君は成都市49中学校(中高一貫校)の高校2年生です。掲載内容から見れば、5月9日午後5時40分、魯さんは息子林君を学校に送った後、9時に学校から『息子さんが死んだ。死因は建物からの転落』という通報を受けました。魯氏夫妻は直ちに学校に行きましたが、学校側は魯氏夫妻の校庭への進入を禁止し、子供の遺体を見せてくれなく、事故現場や監視カメラなど、死亡事件に関するすべての情報をも見せてくれませんでした。林君の同級生たちは、「事件を勝手に広めると、大学入学試験を受ける資格を取り消し、転校しようとしても、受け入れる学校がないようにする」などと警告されたため、林君の両親に教えてくれる人はいませんでした。魯さん夫妻は事件の真相を求めて、深夜まで学校で試みていましたが、いかなる情報も得られませんでした。仕方なく、魯さんはウェイボで自分の電話番号を公開して、内情を知っている人からの連絡を求めました。
5月10日正午頃、魯さんは再び「警察から救急車が夜8時半に学校に到着したとき、息子の心臓は止まった状態で、病院に行かずに直接葬儀場に行った。学校側は法律によって問題解決を求めているので、他のことについては申し上げることはないという話を聞いた」と書きました。10日午後2時、魯さんはまた、「今朝、監視カメラを見た。事件発生の部分だけ監視カメラがない」とし、「こんなニュースをたくさん見たが、自分に起こるとは思わなかった」と書きました。明らかに、学校側は真相を隠蔽しています。「監視カメラの故障」という理由は、中国人ならだれもが知っている中共の一貫の手段です。
中国のインターネットはすぐ熱くなり、ウェイボには「成都の学生墜落死亡事件に多くの疑問点」というハッシュタグで数万人が討論し、照会数が数億回にも達し、魯さんの事情が伝わると49中学校の保護者と市民が校門前に集まり、林くんを追悼する一方、「真相!真相!真相!」と叫んでデモを開始しました。すると、警察はいつもの通り、真相を求めている人を殴ったり、連行したりしました。この映像はネットで広く伝えられています。
死亡原因の三つの言い方
林君死亡原因について、現在、三つの言い方があります。一つは成都市公安局成華分局が公開したもので、「現場検証と探訪調査、監視カメラの映像、電子データの検証、遺体解剖などを介して、林君は転落による死亡で、刑事事件の可能性を排除し、当該生徒は個人的な問題のために命を軽視した」ということです。第2番目の言い方は、他の学生の保護者が匿名で提供したもので、「林君は化学科先生に建物から突き落とされて死亡した。原因はこの先生の子供の留学機会が林君に奪われたからだ。また、林君が突き落とされる前に、顔に硫酸をかけられたため、学校側は林君の両親に遺体を見せない」とういことです。第3番目の言い方は、第49中学校の学生が匿名で公開した情報で、「林君は数名の「官二代」「富二代」、つまり、「政府役人の子女」、「金持ちの子女」たちに突き落とされて死亡したが、学校側は殺人犯の親の特権を恐れて、事件の真相を隠蔽している」ということです。
林君死亡の真実の原因
この三つの言い方について分析して見ましょう。第1番目の言い方は政府が公開したものだから、信用できないです。中国政府はいつも嘘をついています。この事件についても、政府は、「当該生徒は個人的な問題のために命を軽視した」という結論を家族に知らせ、家族は調査結果に異議を提起しなかったと発表しましましたが、これに対し、魯さんは、「今日成華区が発表した声明を、私は認めることができない。発表内容にあまりにも多くの疑問がある」という文章を発表しました。だから、中共政府の結論は信用できないものです。しかし、中共政府がこのような結論を出すには、必ず別の目的があります。この目的については、最後に述べます。
第2と第3番目の言い方は、両方とも匿名で発表したもので、信憑性のレベルは同じであるはずですが、内容から見れば、第2番目、学生の保護者が書いたものの信憑性がもっと高いと思います。第3番目の言い方、「官二代」「富二代」に突き落とされたならば、必ず突き落とされる原因があるはずです。中国の学校では学生同士、或いは社会から不良者が校庭に入って学生をいじめることはごく普通に存在しますが、いかなる原因もなく急に人を殺すことはほとんどないです。ここまでいじめられることは、決して急に起こったトラブルではなく、必ず長期的ないじめの結果で、子供が学校でいじめられていることを保護者が知っているはずです。しかも、林君が転落した場所は教室の建物ではなく、先生の事務所の建物なので、「官二代」の子供たちが、先生の前で人を殺す可能性は低いと思います。しかも、中共政府が公開した監視カメラが撮った映像には、最初から最後まで林君は一人で行動したので、急に数名の人に突き落とされる可能性は低いとおもいます。
第2番目の言い方、先生が自分の子供の留学機会が自分の学生に奪われたため、学生を殺したということは、ほとんど不可能です。本当に先生が林君を殺害したとすれば、この事件の全過程から見れば、この先生の権力は非常に大きいから、林君が先生の子供の留学機会を奪い取ることは不可能です。中国では高校生から優秀な学生を推薦して留学させることはあります。林君が先生の子供の留学機会を奪い取ったということは、留学生の人数に限りがあるので、林君が推薦されたため、先生の子供が推薦されなかったということです。中国では、もし、この先生が非常に優秀な人、或いは、全く権力がない人なら、自分の子供ではなく、他の学生が推薦される可能性はあります。もし、先生は品質が悪く、先生に少しでも権力がある場合、留学の機会を自分の子供ではなく、他の学生にあげることはあり得ないです。留学は試験ではなく、推薦で決めるから、学生が決めるのではなく、先生が決めるのです。中国では「走後門」、つまり、裏取り引きの不正行為は非常に深刻です。
この事件から見れば、いわゆる林君を突き落とした先生の権力はとても大きいです。林君の遺体を遺族に返さなく直接火葬することができ、学校のリーダーシップに庇護され、宣伝部、政法委員会、公安局、教育局で構成された連合調査団に庇護されているので、先生の後ろ盾は少なくとも省知事レベルの高級幹部だと推定されます。学生を殺すような道徳レベルを持ち、省知事レベルの権力を持っている先生が、自分の子供ではなく、他の学生を留学に推薦することは最初から不可能です。学校のリーダーシップもこの先生の子供を推薦しないはずはないです。しかし、私は先生が林君を殺害した可能性は十分あると思います。ここには別の事件が絡んでいます。この先生は林君を殺害しなければなりません。
例を一つ挙げて説明します。私が大学生時代に発生したことで、たぶん1983年ごろのことだと思います。冬休みに実家に帰る列車の中で聞いたことです。中国では、列車を乗る時間が長いため、互いに知らない人の間でもよく世間話をします。このことは黒竜江省から来た人が語ったことです。黒竜江省の中共組織部長の息子の恋人が、風に罹って病院に行って注射してもらいましたが、その後すぐなくなってしまったのです。女性の遺族に頼まれた弁護士が、当日の医者に状況を聞いたところ、医者は自分が殺したと直接認め、もし、彼女を殺さなければ、自分が殺されるから、仕方なく殺したので、裁判所へ起訴しても構わないと言ったのです。
事件をさらに深く取り調べると、医者はこの女性の婚約者、つまり、黒竜江省組織部長の息子に指示されて女性を殺したのです。本来、この二人は結婚するつもりで、女性は妊娠したのです。しかし、途中で男性は他の女性が好きになって、この女性との婚約を終わらせようとしたが、この女性が反対したため、この女性を殺したのです。弁護士が裁判所へ起訴したが、裁判所は事件を受理しなかったです。最後には、訴訟の途中で、この弁護士は定年退職されました。その時、中国では個人弁護士はいなく、弁護士は公務員だったので、この弁護士は60歳未満で定年退職され、殺人案件は未解決のまま棚上げになったのです。この事件の後ろ盾は黒竜江省の中共組織部長です。中共組織部長の権力はとても大きいです。政府、企業、学校など、すべての幹部は組織部が管理しています。この事件を取り調べていた弁護士も組織部が管理していました。これは、中共指導下の中国のやり方です。
成都市の高校生が殺害された事件も、恐らくこの例と同じでしょう。もし、本当に先生が学生を殺したならば、その先生はさっきの例の医者と同じく、学生を殺さなければ自分が殺されるでしょう。先生には殺人の動機がなく、殺人動機は別の人にあるでしょう。全体事件の特徴から見れば、殺人事件には臓器狩りの特徴があります。殺害された人は17歳の若い人、いかなる薬も使わず、内臓を損害せず、高層建物から転落した2時間後救急車が来ることは、確実に死んでも、内臓の新鮮度が確保される時間、遺体をだれにも見せないから、死亡原因についてだれも発言権がない。しかも、宣伝部、正法委員会、教育局など、刑事事件と全く無関係の部門が事件調査に取り組むことなど、すべてが臓器狩りの特徴です。だから、林君は成都市や四川省ないし中共中央の高層幹部に臓器が狙われたため殺害されたのではないかと思います。これこそ、中共政府が事件の真相を隠蔽する本当の目的でしょう。
(李真実チャンネルより転載)