千人以上の縫製工場のオーナーがサンプルや求人のプラカードを持って1キロ近くの長蛇の列を作って、労働者が来るのを待っている(YouTube動画のスクリーンショット)

 新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)が猛威を振るっている中、「求人難」と「就職難」が混在している。広東省広州市海珠区康楽村の狭い小道に、千人以上の縫製工場のオーナーがサンプルや求人のプラカードを持って1キロ近くの長蛇の列を作って、労働者が来るのを待っていたことが16日、中国国営放送の中央電視台「財経チャンネル(CCTV2)」の報道で分かった。

 報道によると、このような労働者がオーナーを選ぶ場面は、広州市の多数の縫製工場で現れたという。広東省だけでなく、四川省成都市でも、工場のオーナーが求人のプラカードを掲げて労働者の「選択」を待っており、求人広告に月給が5,000〜8,000元(約8.5~14万円)と掲載しても、応募者は来ない。

 中国国家統計局(NBSC)によると、9万社以上の工業企業を対象に調査した結果では、約44%の企業が求人難となっているという。

 山東省済南市にある「聖泉集団株式有限会社」は、技術革新の模範企業であり、一部の製品が世界トップレベルの生産量と販売量を誇っている。しかし、労働者不足の問題が企業の発展を妨げている。同社の人事部責任者である燕倆氏は、今年の旧正月開けに、新プロジェクトがスタートしたが、1,500人もの人材が不足しており、「1カ月に150人しか採用できず、様々な方法を試したが、現地にはもう人が来ないようだ」と述べた。

 浙江省義烏市(ぎうし)「水晶之恋針織有限会社」の王海竜社長は、昨年に比べて労働者の月給を500元(約8,500円)近く上げ、コストも大幅に上昇したにもかかわらず、誰も来てくれないと述べた。

 広東省の一部の縫製工場のオーナーは、縫製労働者の日給が500元を超え、最も不足している旋盤工(機械を使って金属などを切削加工する作業員)、ライン作業員、アイロンかけ作業員の月給も6,000~10,000元(約10~17万円)にまで上げたと述べた。

(翻訳・徳永木里子)