中国人民銀行(中央銀行)が12日に発表したデータによると、4月の新規銀行融資が1.47兆元、社会融資総量が1.85兆元(31兆8500億円)となった。4月末のマネーサプライ(M2)の前年比伸び率は8.1%、アナリスト予想の9%を下回った。

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 ウォール・ストリート・ジャーナル12日の報道よると、3月あるいは前年同月に比べて、上記の数値はいずれも減少し、または予想よりも低くなっている。M2の伸び率は2019年7月以来の最低水準となり、3月に比べ、新規銀行融資と社会融資総量はいずれも約45%の大幅な減少となった。

 ロイター12日の報道によると、「インダストリアル・セキュリティーズ(正式名:興業証券股分有限公司)」の債券アナリストである羅雨濃氏は、4月の融資数値について、「社会融資総量が大幅に下落し、企業の債務融資などが比較的大きく縮小した。信用面では、不動産規制により居住者向けの中長期ローンが一部減少し、企業向けの中長期ローンの落ち込みは、ビジネスに対する期待感の改善が限定的であり、投資意欲が低いことを示唆しており、あまり良い兆候ではない」とコメントした。

 英マクロ経済学者のマーク・ウィリアムズ氏は、今年半ばごろに社会融資総量残高の伸びが11.5%に減速すると予測していたと述べ、「最新のデータでは、我々の予想よりさらに速く、12月には10.5%程度になる可能性がある。そうなれば、今後の数四半期で引き続き経済の足を引っ張ることになるだろう」と懸念の意を示した。

 コメルツ銀行のシニアエコノミストの周浩氏は、データから見れば全体的に予想を下回っており、社会融資総量の伸び率は11.7%に下落し、かなりな落ち込みとなっており、これからの経済成長率が大幅に鈍化することを意味していると述べた。

(翻訳・徳永木里子)