中国共産党政権が4月中旬に発表した「国家安全教育デー」の宣伝映画で、いかなる組織や個人も、国家安全に危害を及ぼす状況や情報を発見した場合、電話で安全機関に通報するように要求していると、「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が5月9日に報じた。
同記事によると、中国共産党機関紙である「人民日報」傘下の「環球時報」の報道では、習近平氏が2019年に国家安全の重要性を強調してから、すべての出国者に対する防諜安全措置が強化されてきたと伝えた。特に、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5ヵ国で情報共有を行う「ファイブ‧アイズ」に出張する場合、旅行先や日程、外国人との面会などを詳細に報告することが義務付けられている。
台湾立法委員で元陸軍副司令官の呉斯懐氏は、今回の防諜規定は国内のコントロールをさらに強化し、ハイテク企業やそれに従事する従業員に「国家機密」を漏らしてはならないと警告するためのものだと述べた。
米国のシンクタンク、ジェームズタウン財団研究員で中国問題専門家の包明徳氏は、中国共産党の新防諜規定の目的の一つは統制を強化し、国民、企業、政府機関に中国共産党の意図を理解させ、服従を要求することだと述べた。また、中国でのビジネスはリスクが増加しており、外国企業は未然に備えなければならないと強調した。
(翻訳・柳生和樹)