ABCニュース3日の報道によると、米エネルギー省の最も重要なバイオテロ防衛防御研究機構であるローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)が、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の秘密研究を行い、同ウイルスが中国の研究所から来ている可能性があると結論づけた。
LLNLの情報部門であるZ部門が2020年5月27日に完成させた報告書は「トップシークレット」に分類されていた。同報告書は実験室由来説と人獣共通感染症説の両方が合理的であり、さらなる研究が必要と考えている。LLNLの広報担当者は、同報告書の存在を認めたが、さらなる説明を控えた。
アブリル・ヘインズ米国家情報長官は4月15日の下院情報委員会で、米情報機関が新型コロナウイルスの発生源を積極的に調査していることを明らかにした。「新型コロナウイルスがいつ、どこで、どのようにして広がったのかがわからない。情報機関の各部門も我々がとりかかっている、2つの尤もらしい説について研究調査を進めている。その1つはウイルスは実験室での事故によるもの、もう1つは人と接触した動物によるものだ」
下院外交委員会のマイケル・マコール氏は、同報告書について質問された際「自分が読んだ限りでは、武漢ウイルス研究所がウイルスの発生源である可能性を絶対に否定できない」と述べた。
情報筋によると、同報告書は限定公開で、トランプ政権の高官の中には、なぜ昨年5月にZ部門が同報告書に言及しなかったかと疑問視する声もあった。
Z部門は、旧ソ連の核兵器計画を研究するために1965年に設立された。多くの米国人がその存在を知らず、一部の情報機関にも知られていない。ジョージ・ワシントン大学の情報史専門家、故J.T. リチェルソン氏(国家安全保障文書館の上級研究員)が執筆した『The U.S. Intelligence Community(意訳:アメリカの情報活動コミュニティ)』(2008年版)によると、Z部門の取り扱い内容は生物・化学兵器のプロジェクトにまで拡大してきた。2006年、同部門は「ウイルス学、微生物学、免疫学、疫学、あるいは生物兵器問題に関連する科学的・医学的分野の背景を持つ」生物医学者の求人広告を掲載したことがある。
(翻訳・徳永木里子)