欧州連合(EU)は6日、EUの軍隊と軍備の欧州全域への展開を加速するために、米国、カナダ、ノルウェーが「常設軍事協力枠組(PESCO)」の大規模な軍事プロジェクトに加入することを承認した。米国はかつて、EU軍の迅速な動員を支援するため、同軍事プロジェクトに参加することを申し出た。
AP通信によると、EU加盟国の国防相は6日、ブリュッセルで開かれた会議で、3カ国がEUの軍事動員プロジェクトに加入することに全会一致で同意した。EUが初めて公式システムの軍事プロジェクトに(EU)域外の国の加入を許可したもので、北大西洋条約機構(NATO)との協力改善を示すものでもある。
ジョセップ・ボレル・フォンテジェス氏(EU外務・安全保障政策上級代表)は声明の中で「彼ら(3カ国)の専門知識は、同プロジェクトの実施に役立ち、EU内外での軍事的に動員する能力を向上させることができる。これにより、EUの防衛をより効率的にし、我々の安全保障の強化につながる」と述べた。
ドイツのアンネグレート・クランプ=カレンバウアー国防相は「3カ国の加入で、欧州軍の実際の能力を大きく前進させることができる。大西洋間の連携(大西洋自由貿易)やEUとNATOの協力関係において、新たな大きな一歩になると考えている」と述べた。
現在、欧州には7万人以上の米軍が駐留しており、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドへのロシアの侵攻に備えて安心感を与えていると言われている。
EUは、橋や鉄道、道路などのインフラを改善し、軍事的な動員力を高めるために、7年間で17億ユーロ(2238億円)の予算を計上したという。
(翻訳・徳永木里子)