米国ミシシッピ州リン・フィッチ検事総長(ミシシッピ州検事総長ホームページより)

 米ミシシッピ州の裁判所は昨年12月、新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎、COVID-19)の感染拡大の責任として、中国共産党(以下、中共)政権に損害賠償を要求し、中共政権の高官とその複数下級組織に召喚令状を発した。習近平政権がこれに対しどう対応するかが懸念されている。

 米ミシシッピ州の裁判所、中共に召喚状発行

 ミシシッピ州の地元テレビ局WLBTによると、同州南部地区の連邦地裁は、昨年12月9日に中共と複数の行政機関、および武漢ウイルス研究所に召喚令状を発行した。

 米法律に基づき、召喚令状を受け取ってから21日間内に対応すべきことになっており、対応しない場合、地裁は黙認として判決を下す。

 リン・フィッチ州検事総長は4月22日の声明で「ミシシッピ州の家族や企業は、中共の悪意ある危険な(ウイルス)拡散行為のため、金銭的な補償を受けるべきだ。この訴訟は現在司法手続きが進行しており、ミシシッピ州の人々のために正義を貫くことを望んでいる」と述べた。

 ミシシッピ州に加え、ミズーリ州も中共への賠償訴追を積極的に推し進めている。FOXニュースによると、ミズーリ州は昨年4月に中共を相手取った最初の州であり、中共に世界的な感染拡大の責任を追及し、パンデミックによって引き起こされた巨大な人命損失、人的被害、経済的混乱に対する賠償を求めている。

 世界からの非難 習近平氏の発信

 3日までのところ、全世界で新型コロナ感染者が1億5,200万人以上に上り、320万人以上が死亡しており、感染状況は悪化の一途をたどっている。イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、イタリア、スペイン、ブラジルなど多くの国が、中共に対して感染拡大の責任追及に合意ができている。

 世界的な包囲網の中で、習近平氏は長期間、巨大なプレッシャーを感じているに違いない。昨年4月の政治局常務委員会で同氏は「ボトムライン思考を堅持し、長期的な外部環境変化に対応するための心構えと準備工作をすべきだ」と述べた。

 米国に滞在している時事評論家の陳破空氏はこのほど、ラジオ・フリー・アジアへの寄稿で、習近平氏はこの中共自作自演の大災難が中共の終焉につながることを強く示唆していると指摘した。

(翻訳・徳永木里子)