フィリピンのテオドロ・ロクシン外相(テオドロ・ロクシン外相のツイッターより)

 フィリピンと中国との海洋主権問題は一向に解決されていない。フィリピンのテオドロ・ロクシン外相は3日「中国、わが友、どれだけ丁寧に言えばいいのか。考えさせてください、そうだ、出て行け」と抗議のツイートをした。また、中国共産党を「友人になりたいと思っているイケメンの気を、無理に引こうとしている醜い愚か者」に例え、通常の上品な外交辞令ではもはや解決できないと強調した。

 フィリピン外務省も同日、中国船が南シナ海のスカボロー礁(中国名:黄岩島)付近に現れ、演習を行っているフィリピン船に対し、「攻撃的な行動」をとっていたと非難する声明を発表した。中国船が同海域に進出することは「フィリピンの主権に対する露骨な侵害」であると強調した。

 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)3日の報道によると、フィリピンは南シナ海の一部の領有権を主張しているのに対し、中国は南シナ海のほぼ全域を自国のものだと主張している。南シナ海は、年間約3兆ドル(約328兆円)の物資が行き交う国際航路であり、漁業資源や海底油田資源に恵まれている。中国は海上警察や海上監視船を派遣し、2012年にフィリピンが領有権を主張しているスカボロー礁を取り囲み、同海域を事実上占領した。

 ロクシン外相のツイッターでの中国に対する厳しい発言は、海外のネットユーザーの注目を集めた。「ごろつきにはごろつきの言葉しかコミュニケーションが取れない、相手が理解できる言葉を使うことは悪いことではない」「この数ヶ月、フィリピン外相と国防相は、明らかにロドリゴ・ドゥテルテ大統領の主張から逸脱した発言を繰り返し発表している。これはドゥテルテ氏が微妙な立場にあることを意味する。フィリピン大統領は中国共産党の操り人形として、退陣した直後に逮捕されて裁判にかけられたマレーシアのナジブ元首相のようになってしまうのだろう」といったコメントが寄せられた。

(翻訳・徳永木里子)