1999年4月25日、中国北京で平和的な集団陳情を行っている法輪功修煉者(minghui.orgより)

 1999年4月25日中国北京にある事件が発生したことがあります。22年前のことですから、40歳以上の人には覚えている方はいると思います。この事件について、中国政府筋は「法輪功修煉者が中南海を取り囲んで攻撃した」と言いますが、法輪功側は「平和的な集団陳情」と主張しています。今日は、22年前に発生した法輪功修煉者たちの「平和的な集団陳情」事件についてお話しします。すべての物事には原因と結果があります。法輪功修煉者たちの「平和的集団陳情」も同じく、必ず原因があります。詳しく話せばかなり時間がかかりますので、まず、当日のことを簡単に紹介します。

 1999年4月25日早朝から中南海付近に全国各地から来た大量な法輪功修煉者が集まりました。当時の首相朱鎔基氏が出勤するときには、中南海の大門周辺まで人がいっぱいになりました。朱鎔基首相は民衆に向かって、「あなた方は何者で、なぜここに来たのか」と聞きました。群衆は、私たちは法輪功修煉者で、二日前の4月23日、天津市の警察が法輪功修煉者45名を不法に連行しながら、問題解決を求めたければ、北京に行きなさいと言ったため、問題解決を求めるために来たと説明しました。朱鎔基首相は、「あなた方が提出した問題について、私はすでに書面指示を出したので、見てないか」と話しました。法輪功修煉者たちはみんな見たことがないと答えました。すると、朱鎔基首相は、「では、こんなに多い人と話すことができないので、代表が入って来てください、代表と話しましょう」と言いました。そこで、法輪功修煉者から三人が中南海に入って行って、朱鎔基首相と面談しました。

 法輪功修煉者はこれまでに法輪功が受けた不正を首相に反映したあと、3つの要求を提出しました。第一は、4月23日に天津で不法に逮捕されたすべての人を無条件で釈放すること。第二は、法輪功の書籍の自由な出版を許可してくれること。第三は、法輪功修煉者の自由煉功の環境を確保してくれること。当日、朱鎔基首相は関連部門に確認した後、法輪功修煉者が提出した3つの要求を受け入れ、23日天津で警察に不法連行された45名を無条件に釈放しました。そこで、問題は平和的に解決でき、夜11時に法輪功修煉者は解散しました。当時、世界各国の中国政府への評判はとてもよかったです。アメリカ、英国、フランス、シンガポールなどのメディアには、これから中国は民主主義に入るのではないかとの記事がたくさん掲載されました。しかし、この事件の三カ月後、7月20日中共は法輪功に残虐な弾圧のかけたのです。

 当時、中共メディアはこの事件を「1万人の法輪功修煉者が中南海を取り囲んで攻撃した」と報道しましたが、これらの写真や映像から見れば、攻撃はともかく、激しい行動も一つもありません。これらの写真や映像は、全部中共のメディアや関連部門が撮ったものです。もし、攻撃や激しい行動があったら、中共政府は必ず隠すことなく、公に、大げさにそれを報道するでしょう。なぜ今まで一つも報道しないのでしょうか、そのような映像がないからでしょう。当日、中南海に行った法輪功修煉者たちが書いた文章や映像で話している内容から見れば、当日、中南海に行った法輪功修煉者は数万人いましたが、みんな非常に平和的で、和やかで、本を読んだり、煉功したりしていて、解散するときには、ゴミまで全部拾って持ち帰ったのです。

 では、なぜ4月23日天津で警察が法輪功修煉者45名を不法に連行したのでしょうか。法輪功はいったいどんなものでしょうか。なぜ中共が法輪功を弾圧するのでしょうか。まず、法輪功はいったい何かについてから始めましょう。中国は非常に独特な国です。中国の強さは、経済でも軍事でもなく、文化にあります。文化の精髄は修煉です。修煉を重ねると人間は変わります。修煉に成功すれば、佛や神になりますが、成功しなくても上達する人には、超能力を持つようになります。一般の修煉者でも、病気が治ったり、道徳レベルが向上したりすることができます。日本では中国の三国志が好きな人が多いですが、劉備の軍師・諸葛孔明、「神医」と呼ばれる華佗、明朝の予言家・劉伯温などはみんな修煉者です。中国は数千年来、王朝が変わって、文化の表面形式が変わっても、文化の精髄は変わったことはありません。しかし、中共が政権を握った後、無神論と進化論を真理として、神に対する信仰は「有神論」のレッテルを付けられた批判されたのです。特に、「文化大革命」の時、宗教が迫害され、中国の伝統文化は迷信として批判されたのです。その後、修煉の文化を公に伝える人はいなくなりました。

 1970年代後半から、中国では気功が現われました。気功を練習すれば病気が治ったり、超能力を手に入れて他人の病気を治してあげることができたり、普通の人には見えないものが見えたりするような不思議な現象が現れることがありました。しかし、気功の正体については、誰も知らなかったです。1980年代後半になると、いろんな気功流派が現われたが、中にはお金のための偽気功が多いため、気功は低迷していました。法輪功は気功が低迷している環境で、1992年から気功の形式で李洪志先生により伝えられましたが、李洪志先生は気功の正体を公開したのです。『轉法輪』の本に「気功は修煉にほかならない」という項目があり、今まで誰も公開しなかった気功の正体を直接はっきりと説明したのです。

 『轉法輪』は李洪志先生が全国各地での講習会で説法した内容をまとめたものです。法輪功を伝える初期段階には、李洪志先生が全国各地で講習会を行って伝えたのです。法輪功は中国の伝統的修煉法門だから、病気治療と道徳向上の効果が非常によかったです。だから、最初は、CCTVや人民日報をはじめ、各地のテレビ局、新聞社などが、法輪功を肯定的に報道し、中国政府も法輪功を修練するように国民に宣伝したのです。法輪功はお金ももらわなく、組織も作らなく、病気治療の効果が良いため、伝えられてからすぐにブームになり、修煉者の人数が急増し、『転法輪』本は出版されてからすぐにベストセラーになり、1999年には7千万冊出版され、修煉者の人数が1億人を超えたのです。

 

1998年5月中国東北部の瀋陽市で功法を練習している法輪功修煉者(大紀元より)

 旧ソ連の共産党指導者レーニンには「共産党が最も恐れるのは組織だ」という話があります。中共も同じです。だから、中国では共産党組織以外には、いかなる独立組織の存在も認められません。法輪功は組織を作らないと、法輪功の著書にはっきり書いてあるにも関わらず、修煉者の人数が多くなると、中共は警戒するのです。法輪功が伝えられている時、中国の最高指導者は江沢民でした。江沢民は心が非常に狭く、嫉妬心が強く、道徳レベルが非常に低い人です。江沢民はいかなる独立組織の存在も許さないです。メンバーが1億人を超える法輪功はともかく、他の気功団体も、1千万人を超える団体も全部江沢民に弾圧されたのです。

 法輪功弾圧にはもう一人の首魁があります。当時の中央政法委員会書記・羅幹です。羅幹は自分の官職を高めるためには手段を選ばない悪者です。1988年4月から1998年3月まで、羅幹は李鵬政権の国務院秘書長を担当しました。この間、1989年春、天安門で学生による民主化運動が発生していた時、北京市の街頭で自動車に火をつけられた事件が発生したことがあります。当時、中共政府は大学生が軍用車に火をつけたと主張したが、目撃者が書いた文章には、「火をつけた人は学生ではなく、自動車も廃棄されたもので、なぜ古い車に火をつけるのかと不思議に思っていたが、学生たちが軍用車に火をつけたとテレビで報道するのを見て、それは政府が学生運動を弾圧するためにでっち上げた理由だと初めてわかった」と書いてありました。その事件の内部情報を知っている人が書いた文章には、その事件の監督は他でもない羅幹だと書いてありました。

 1998年4月から、羅幹は中央政法委員会の書記になりました。中央政法委員会は公安局、裁判所、検察院などすべての司法部門を管理する最高機構で、権力はとても大きいです。しかし、羅幹自身はまだ中共の最高指導部門である政治局常務委員会のメンバーになっていないです。羅幹は政治局常務委員になるための実績を上げるために選択したのが法輪功弾圧です。羅幹のような人は、上司の心をすぐすぐ読み取れるから、江沢民が法輪功を弾圧しようとしていることをすぐ分かるのです。羅幹のような人は真面なことはやらなく、上司の歓心を買って、自分の昇職しか考えないから、上司の心が以心伝心ですぐわかるのです。

 羅幹は二回警察にやらせて、法輪功に潜り込んで、法輪功に対して秘密的な調査を行ったことがあります。結局、法輪功には事務所、名簿、連絡方法などいかなる組織もなく、一人一人がみんな自ら「真、善、忍」に従ってよい人間になろうとして修練し、病気治療と健康保持には優れた効果があるという結論が出たのです。それだけではなく、法輪功の調査に取り組んでいた警察官の中、多数が法輪功の修煉者になったのです。この調査結果は法輪功は本当に素晴らしい気功であることを示していますが、独裁者の江沢民はこのように考えてありません。江沢民の頭は正常な人間と違って、いつも変な方向に物事を考えるのです。江沢民にとって法輪功は非常に恐ろしいものです。江沢民は「法輪功は共産党と人民群衆を奪い合っている」と言ったことがあります。江沢民にとって、中国人民は共産党の私有財産、奴隷だから、誰も中国人民を揺るがしてはならなく、中国人民も自分が好きなことを勝手にやってはならないです。だから、江沢民は必ず法輪功を弾圧するのです。法輪功が悪いものだから弾圧するのではなく、共産党の信仰と違うから弾圧するのです。

 中共は誰かを弾圧しようとするとき、まず世論形成から始まるのです。もともと法輪功を肯定的に報道していたメディアは、法輪功のことを否定的に報道し、しかも、偽りの報道をしたのです。中国のメディアは共産党の宣伝工具だから、法輪功に対する嘘の報道に対して、反対する文章をメディアに報道することはできないです。だから、メディアが法輪功を汚す内容を報道するたびに、法輪功修煉者たちはそのメディアの事務所に行って、関係者に直接口頭で真相を説明することしかできなかったです。しかも、このやり方の効果は良かったです。もともと法輪功のことについてよく知らなかったメディアの責任者や関係者は、法輪功の真相を聞いた後、メディアの報道が間違ったと謝罪することがあったのです。4月23日、天津の警察が法輪功修煉者を不法に連行していたのもメディアの報道に関係あります。

 4月11日、天津市の『青少年科学博覧』雑誌に「私は青少年の気功修煉に不賛成」という中国科学院の何祚庥院士の文章を発表されたが、文章には法輪功は偽物で、迷信であり、法輪功を練習すれば精神がおかしくなるなどの内容がありました。これを見た法輪功修煉者たちは雑誌社に行って、責任者に法輪功の真相を説明してあげたのです。すると、雑誌社の責任者は、自分たちが誤って報道したと謝罪し、次期の雑誌に謝罪文章を発表すると表明しました。しかし、数日後、雑誌社側は自分たちは間違ってないから、謝罪文章を発表しないと言ったのです。そこで、法輪功修煉者たちは再び雑誌社に行ったのです。4月23日、警察が法輪功修煉者を連行しながら、問題を解決したければ北京に行きなさいを行ったため、25日数万人の法輪功修煉者が中南海に現れたのです。実は、法輪功修煉者が陳情するために訪問した部門は中南海ではなく、中南海から約1キロ離れた「信訪局」でした。行った人が多いため、警察が整列するとき、列を中南海方向に並べと言われています。当日、北京に行った人に私が自ら聞いたことがありますが、少なくとも5万人は行ったと言いました。「信訪局」から中南海まで、中南海を挟む二本道路の間に、いたるところに法輪功修煉者がいたと言いました。

 では、何祚庥院士はなぜ法輪功を批判する文章を書いたのでしょうか。何祚庥院士は、彼にはいろんな気功を練習する修士学生一人がいたが、法輪功を練習すれば精神がおかしくなり、法輪功をやめれば精神が正常になるとの文章を発表したことがあります。しかし、何祚庥院士の話を裏付ける証拠はないため、信憑性はありません。ある法輪功修煉者が何祚庥院士に面会して話し合いたいと要求を提出したが、何祚庥院士に拒否されたと文章を掲載しました。何祚庥院士も自分は拒否したとの文章も掲載しました。何祚庥院士に法輪功を練習したため、精神がおかしくなったと言われている学生からもいかなる声明文章はありませんでした。だから、このことの信憑性はありません。ただし、法輪功の著書には、「修煉は専一でなければならない」とはっきり書いてあるため、本当の法輪功修煉者には、他の気功と混ぜて修煉する人はいないです。

 実は、いろんな報道から見れば、中国科学院の何祚庥院士と中央政法委の書記羅幹は、相婿同士です。羅幹が先頭に立って法輪功を弾圧する目的は、江沢民に法輪功を弾圧しようとする欲望を満足させながら、自分の政治実績を上げて中共の最高権力機構である政治局常務委員会のメンバーになりたかったからです。何祚庥院士は相婿の羅幹の目的達成に協力しただけです。2002年から、羅幹は第16期中央政治局常務委員になりました。中共支配下の中国で起きたすべての出来事は、共産党による権力と利益のための政治運動に過ぎなく、いかなる運動においても、国民はいつも被害者です。

(李真実チャンネルより転載)