中国共産党(以下、中共)の公式メディア・中央政法委員会の公式ニュースサイト「中国長安網」は1日、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の感染が急増しているインドを風刺した合成写真をウェイボーに投稿した。中国や海外のネットユーザーからの批判が相次ぎ、外交問題にも発展したため、急遽投稿を削除した。

https://youtu.be/Y2fU_rvoUEE

 同合成写真は、中国のロケットの点火とインドのコロナ感染者が火葬される点火を比較した。左側は中共のロケット点火の現場であり、右側は防護服を着用したインド人が死体を焼いている様子。 同記事には「中国点火VSインド点火」という言葉が添えられ、「インドでは1日で40万人以上の新規感染者が確認された」というハッシュタグが付けられた。

 しかし、同記事について、一部の小粉紅()のフォロワーがシェアしたほか、コメント欄には、非難が相次いだ。

 「人間性が非常に低い人がいることは知っていたが、ここまで低いとは思わなかった。人の逝去を公然とあざ笑うなんて、良心を失っているのに誇らしげに思っている」

 「人間性は政治要素より高いべきだ。無実の人々の死亡を喜んでナショナリズムを宣伝できるとは思えない。中央政法委員会公式メディアの偏狭なナショナリズムを世間に見せびらかした」

 さらに、同記事は「憎しみを助長する」「地域差別」として報告された。情報筋によると、駐北京のインド大使館からも抗議が寄せられている。「中国長安網」は罵声を浴びながら、同記事を削除した。

 また、中共公安部の公式メディア「中国警察オンライン」も4月30日、武漢の火神山病院の建設現場と、インドの野焼き現場を比較した写真を発表した。同写真には、「中国の火神山、インドの『火神山』」という説明文言と、「インドのデリーで犬の火葬場を人間用に改造」というハッシュタグが添えられていた。同記事は1日の深夜に削除された。

 注:小粉紅(しょうふんこう、シャオフェンホン)とは、中国語では「ピンクちゃん」に等しく、「未熟な共産主義者」であるという意味で使われている。

(翻訳・徳永木里子)