ICPO本部(リヨン)(Massimiliano Mariani, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)は25日、トルコで開催された年次総会で執行委員会の新体制を決めた。13人からなる執行委員会に中国共産党(以下、中共)公安部国際協力局の胡彬郴(こ・ひんちん)副局長が選ばれた。欧米や日本の議員で作る「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)は同日、中共が人権活動家やウイグル人の追跡にICPOの国際手配を悪用する可能性があるとして「深い懸念」を表明した。

 IPACによると、胡氏の選出は「中共がICPOを悪用し続けることを許可している」可能性がある。ICPOの国際手配が悪用されることで、中共政府が世界中で自国民を逮捕できる。

 フランスの日刊紙「リベラシオン」によると、IPACは15日、「海外に住む何万人もの香港人、ウイグル人、チベット人、台湾人、中国の反体制派がさらなる危険にさらされる」ことを懸念し、欧米国家の内務大臣18人に同問題について異議を唱えたという。

 胡氏の就任については、国外のウイグル人を逮捕するのに国際手配書を使おうとしたとして、欧米を中心とした約50人の国会議員らが反対する書簡を公表していた。

 また、米国のベン・サス上院議員(共和党、ネブラスカ州選出)は、中共がICPOに与える有害な影響を最小限に抑え、ICPOに与える不安定さを弱化する方法を検討するよう、米政府に求めた。

(翻訳・徳永木里子)