バイデン政権はこのほど、同伴者なしの不法移民の少女約450人を収容していたテキサス州ヒューストンの臨時施設を突然閉鎖した。生活環境が「耐え難い」ものであったためという。
同施設は、災害サービスを中心とした非営利団体「全米キリスト教会連合(NACC)」の緊急シェルターである。NACCは、4月1日に同伴者なしの少女を収容する臨時施設としてオープンし、17日に閉鎖と宣言した。
移民系市民権団体「FIEL」のエグゼクティブディレクターであるセサール・エスピノザ氏は、オープンして1週間後に同施設を訪れた。「過密状態の収容所では、ベッドのみ並べられている。少女たちは、シャワーを浴びる時やトイレに行く時以外、立ち上がることを許されない。十分な食事をするスペースがなく、料理はベッドに運ばれていた。彼女たちの顔に浮かぶ絶望は耐えられない、信じられないものだった」と述べた。
エスピノザ氏はABCニュースのインタビューで「(少女たちは)人間としてではなく、商品として扱われている」と語った。
複数のメディアの報道によると、バイデン政権は現在、メキシコから米国に入った不法移民の未成年者を収容するために、毎週約6,000万ドル(約64億7406万円)の費用をかけている。また、NACCのシェルターにはこれまで、納税者の400万ドル(約4億3160万円)の税金を投入した。また、今後かかる費用は想像できないものである。
今年3月だけでも、1万8600人以上の同伴者なしの子どもたちが、アメリカ=メキシコ国境を越えた時に捕まえられた。約1万8800人が米保健福祉省(HHS)の施設に収容されている。そして、人がまだ絶えず流入している。
(翻訳・徳永木里子)