アリババ・グループ(パブリック・ドメイン)

 中国共産党は、独占法違反を理由に電子商取引大手アリババに182億元(約3千億円)の罰金を科したが、実質的に中国経済を独占している国有企業には目をつぶっている。海外メディアからはダブルスタンダードで、選択的だと見なされている。

 中国共産党はアリババに罰金を科した後、テンセント、バイトダンス(北京字節跳動科技)、百度(バイドゥ)などのプラットフォーム企業34社には期限付きの「改善」を求めた。ブルームバーグの報道によると、この動きは、北京当局による他のプラットフォーム大手への検閲がまだ終わっていないことを示しているという。

 台湾「自由財経」紙は20日、英国「フィナンシャル・タイムズ」の論説を引用して、アリババに対する独占法違反措置が欧米のやり方と異なっているのは、実際に中国経済の広範な領域を支配している国有企業を、中国共産党は見過ごしており、ダブルスタンダードであるからだと報じた。

 英メディアの社説によると、国営企業という国家資本主義の巨獣が中国市場を支配し、中国国内の競争相手を抑圧しているだけでなく、外国の多国籍企業にも影響を与えているという。

 シンクタンクの欧州外交問題評議会(ECFR)とコンサルティング会社の「栄鼎集団(Rhodium Group)」が最近発表した共同報告によると、中国共産党が国有企業に与えている独占的な優位性が、外国企業にとってより不公平なビジネス環境を生み出しているという。

 同報告書によると、中国共産党は公共調達において、国内企業を意図的に優遇し、ライセンスを喜んで承認する一方で、外国企業を恣意的に検査し、中国国内の特定の基準を満たすよう製品の再設計を要求しているという。そのため、中国企業は中国市場で優遇された資源を活用して欧米企業に対抗できる。これが貿易衝突の火種となっている。

(翻訳・藍彧)