王立強(写真撮影:看中国)

 香港企業「中国創新投資(China Innovation Investment Limited)」の代表取締役、向心と妻の龔青は中国共産党(以下、中共)のスパイだと告発されており、中国上海国太グループから受け取った2億300万香港ドル(約28億6400万円)で、台北市信義区にある3つの高級住宅を購入したため、8日に『犯罪収益移転防止法』違反で台北地方検察署(地検)に起訴された。

 検察の調査によると、向心夫婦は2016年から頻繁に台湾に来て、台北市信義区で2億香港ドルで2つの豪邸を購入し、850万香港ドルを投じて内装を施し、さらに9000万香港ドルで別の豪邸を購入し、一緒に貸し出していたと指摘された。

 検察は金銭の流れを追跡し、向心夫婦の携帯電話などの記録を復元することで、国太グループと向心が結んだ電子版契約書を発見し、向心が受け取った2億300万香港ドルを国太グループに返還するように要求した。

 検察は、国太グループが関与した銀行法違反と詐欺による不当収益の出所を隠し、刑事訴追から逃れようとすることに向心が加担したと考えている。向心は自らが運営する香港の上場会社に不当収益を移転し、「汚れを洗い流した」資金を台湾に送金して3つの豪邸を購入し、自分の名義で不動産登録した。

 起訴状によると、資金吸い上げ事件は中国で起きたものだが、マネーロンダリング(資金洗浄)を手助けするのは世界共通の犯罪であり、その不当収益が台湾に流れてきたので、中華民国の司法も追及できる。

 2019年、オーストラリアに亡命した元中共スパイの王立強の暴露によると、元上司の向心は中共の上級スパイで、国防科技工業局委員会に勤務しており、後に軍の高層から香港での諜報活動を任され、「中国創新投資」と「チャイナトレンド(China Trends Holdings Limited)」という2つの上場企業を装った中共軍総参謀部の諜報機関を設立した。さらに、王立強は、中国創新投資が台湾のメディア業界に投資し、テレビ局と秘密に提携し、中国がこれらのメディアをコントロールし、検閲を行えることも明らかにした。

香港企業「中国創新投資」の代表取締役・向心:

2019年、台湾政府は向心と龔青夫婦の身柄を拘束した:

https://twitter.com/bannedebook/status/1380034900259078147

(翻訳・徳永木里子)