米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の16日の報道によると、15日にSNS上で「台湾政府が日本福島第一原発の汚染処理水を受け取る」という台湾総統の偽公文書が流れていました。これを受け、中華民国総統蔡英文氏は15日、Facebookで、否定する声明を発表し、典型的な認知作戦だと批判しました。
偽公文書を投稿したTwitterアカウントには米 RFA、フランスの RFIを装って、偽公文書を引用した偽情報も同時に投稿されました。
偽公文書が流れた15日に蔡総統は、アメリカのドッド元上院議員やアーミテージ元国務副長官らの「非公式」の代表団と会談を行いました。中共は言うまでもなく非難しました。
総統府報道官は"偽公文書には明らかな5つの間違いがある。偽公文書の発行日は16日、しかし15日にSNS上に出回っていた。また、「中华民国国防部」を「国防部」に書き替える、「公布后解密」の「后」が中国語の簡体字(台湾は「繁体字」)、「中华民国台湾高雄市」などの用語に「軍の認識番号」をつけるなどは、台湾慣用語と公文書の書き方ではない。さらに、総統府は「内閣会議」を行わない"とツイートし、文書はでっちあげのものだと指摘しました。
偽公文書の出来具合について、台北大学犯罪学研究所の沈伯洋・助教授は RFAのインタビューで、「これは技術が低い小粉红(中国の未熟な共産主義者)の仕業で、間違いが多い。本物の公文書が出たときに、人々が素直に信じなくなる効果を得たいため。つまり混乱を招きたい」と分析しました。また、台湾と関連のある類似の偽情報と偽動画は、毎日少なくとも十数件あると指摘し、「レベルの高い偽情報については、人々は見破りにくい。その原因は台湾人に制作を委託するため、台湾人が違和感を覚えなくなり、その脅威が一番大きい」と語りました。
台湾の国防安全研究院の舒孝煌氏は RFAのインタビューで、「中共は情報戦、法律戦、心理戦で統一戦線を行っている」と分析しました。
(新時代Newsより転載)