日本政府が2年後、福島第一原子力発電所に蓄積された処理水を希釈して海に放出すると決定したことに対し、中韓両国の強い反発を招いた。中国共産党外交部の趙立堅報道官は、「海は日本のゴミ箱ではなく、太平洋も日本の下水道ではない」と非難した。

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 日本政府は13日、処理された福島原子力発電所からの排水には、主に「トリチウム」という放射性物質が含まれると説明した。希釈後の液体トリチウムは、年間最大22メガベクレル放出され、濃度は1リットルあたり1,500ベクレルに希釈され、WHOの飲料水のトリチウム含有量の基準の7分の1である。

 香港のネットメディア「衆新聞」は14日、中国深センにある大亜湾原子力発電所の核廃水は、排出上限及び実際の排出量ともに日本の福島の基準を超えていると発表した。中国生態環境部が2017年に出した認可によると、6基ある同原発の年間液体トリチウム排出量の上限は225メガベクレルで、これは福島の年間排出量の10倍になる。

 また、香港原子力投資会社(HKNIC)のデータによると、大亜湾原子力発電所の過去10年間の液体トリチウム排出量は、平均して上限値の20%(約49.5メガベクレル)であった。日本政府が定めた基準を1倍以上、上回っている。

 また、2008年に生態環境省が定めた原子力排水の年間排出量の基準によると、浙江省の秦山原子力発電所の液体トリチウムの排出量は上限の125メガベクトルに達し、現在の福島原発が設定している排出量の5倍以上になっている。福建省にある福清原子力発電所の排出上限も、同じく福島の基準を超えている。

 個人メディア『文昭が古今を語る』の司会者である文昭氏は、今回の事件に対して中国共産党が激しい反応を示したのには、2つの原因があると考えている。

 1つは、コロナ対策への外部からの圧力に対し、「世の中のカラスはみな同じく黒い(どこの悪人も皆同じように悪い)」と吹聴し、「今はもっと差し迫った環境問題がある」とし、日本政府を責めることで注意をそらすためである。

 もう一つは、日中関係が緊迫している今、今回の事件で日本を責め立てておきながら、今後の日中交渉で中国側が譲歩することを理由に、日本に他の分野で譲歩するよう求める狙いだ。

 一方で、同氏は「今回の処理水への外部からの注目度が高いことで、各方面からの監視が厳しくなり、日本国民の健康に良い結果につながる」と考えている。

(翻訳・藍彧)