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 中国は国連での影響力を強め、国際協力のルールを好きに変更しようと企てている。トランプ大統領は国連と対立するのではなく、中国による国連の活動・意思決定に対する介入を防がなくてはならない。

トランプと国連の関係

 トランプ大統領が指摘する国連の主な問題の一つは、米国が国連の年間予算の約22%を負担している点だ。トランプ大統領は米国が多額の予算を拠出している点に不満を表明し、加盟国がより国連予算に貢献するべきと考えている。

 トランプ大統領は、加盟国が国連の「普段通りの」業務スタイルを変更するよう望んでいると述べた。BBCは「私たちが協力し真に大胆な改革を推進すれば、国連は世界の平和と調和のために、より強く、より効果的で、より公正で、より大きな力となるだろう」というトランプ大統領の発言を報じた。

 トランプ大統領はいくつかの国連の政策にも反対している。その主な理由として、国連の政策が米国の経済的・軍事的利益に反しているからだと説明する。たとえば、2015年にパリで行われた気候変動に関する合意については、アメリカが数兆ドルもの損害を被るうえ雇用を失いかねないと述べた。それだけでなく、米国の石油・ガス・製造業も悪影響を受けると主張している。

 結果として、彼は米国を合意から離脱させた。米国に再度負担を押し付けようと企んでいた国々はショックを受けた。続けて米国は国連人権理事会を脱退し、移民に関する話し合いをやめ、安全保障理事会ではイランとの核合意に「ノー」を突き付けたのだった。

 これらすべての行動はアメリカの利益を念頭に置いて行われたものだが、トランプ大統領は国連と米国の関与を断ち切ることはできないと理解しなければならない。それはなぜか?中国共産党政権が、国連の議決を支配するため、可能な限り多くの影響力を獲得しようとしているからだ。米国はこうした事態を決して容認するべきではない。

国連決議は中国の意志に沿って採決される

 国連の意思決定を「中国の利益とイデオロギーに有利になるよう仕向ける」という戦略は、2015年にインターネットの統治に関する話し合いが行われた時点から明らかだった。中国の交渉担当者は「インターネット上における国家主権」を国連に受け入れさせることに成功した。

 ニューヨークタイムズ紙は、次のように中国の交渉担当者によるコメントを紹介している。
「我々は今回決議された文書がインターネット上でも適用されると考えています。我々はこの文書が中国の利益になると見込んでいたのです」

 この事例だけでも、中国が国連であまりに大きな影響力を有した場合に何が起こるか思い知らされるだろう。中国が国連を左右した結果、中国が実施するインターネット検閲政策は実質的に容認されてしまったのだ。検閲の継続を許可する声明を文書に含めることに成功したという事実が、中国による国連掌握の危険を暗示している。

 中国政府が国連の予算に多く寄与し意思決定に深く関与すれば、中国は人権弾圧を正当化する政策を国連に受け入れさせ、民主主義を脅かすだろう。もし中国の影響力に対抗する力を有している国があるとするなら、それは米国のみだ。

(翻訳・今野 秀樹)