近日、米中の南シナ海での角力がエスカレートしている。米海軍は、数日前にフィリピン海(台湾東部沖)で中国の航空母艦「遼寧」と並行して航行する米艦の写真を公開した。米艦長が、半分仰向けに足を組んだ状態で遼寧艦を静観している姿がインターネット上で多くの議論を巻き起こした。
米海軍公式サイト「U.S. Navy」によると、同写真は4日に掲載され、米ミサイル駆逐艦「マスティン」のロバート・J・ブリッグス艦長とリチャード・D・スライ副艦長は当時、遼寧艦の番号「16」と甲板上の艦載機がはっきりと見える距離にある中国空母「遼寧」を監視していた。
台湾の国防部シンクタンク・国防安全研究所の学者である蘇紫雲氏によると、米軍が意図的に公開した中国共産党軍を「気楽そうに」監視している写真には、その戦闘能力を心に留めていないことを暗示するメッセージが隠されているという。
これを受けて、中国公式メディアは『米国の軍艦が長江の河口に長時間停泊して何をしたいのか、我々はどうすべきか』というタイトルの記事で、米軍には「中国(共産党)へのデモンストレーション」「中国(共産党)の反応を打診」「中国(共産党)に行動を起こさせる」という3つの目的があるのではないかと分析している。
これに対し、台湾前国会議員の黄澎孝氏は、中国公式メディアが過敏に反応する行為が、自らの弱点を暴露しているのだと述べた。「長江の河口周辺は貿易往来が発達しており、重要な経済的スポットも多いため、双方が武力衝突した場合、大きな損失をもたらすに違いない」
(翻訳・藍彧)