ウクライナ軍の兵士(Oleg MityukhinによるPixabayからの画像)

 ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は5日、記者会見で露米高層が対話していることを明らかにした。ここ数日来、ロシアが戦車や装甲車などの武装部隊をウクライナ及びクリミアに大量に集結させたことに、米国は懸念を示している。

 イタルタス通信5日の報道によると、リャブコフ外務次官が記者団に対し、「モスクワとワシントン高層がウクライナ情勢に関する対話を行っている。米国は懸念を表明しているが、ロシアの行動を心配する必要はない」と述べた。また、同氏はウクライナが休戦協定である『ミンスク合意』に違反し、否認していることは受け入れられないと述べた。

 ウクライナ軍は3日、ドネツィクの北約30kmの村の近くで、地雷爆発によりウクライナ兵1人が死亡したことを明らかにした。3月末の砲撃で4人のウクライナ兵が死亡した。

 情報筋によると、ウクライナ東部での紛争は1月からエスカレートしており、ロシアとウクライナの国境には大量の軍と装備が集結している。3月29日、北大西洋条約機構(NATO)の戦闘機は大西洋北部、北海、バルト海、黒海でロシアの侵入戦闘機を10回阻止した。

 NATO司令部は1日、ロシアとウクライナの情勢について議論し、ロシアの最近の行動がウクライナ東部の緊張緩和に向けた国際的な努力を台無しにしていると指摘した。

 ウクライナのドミトロ・クレバ外務大臣は2日、イギリスのドミニク・ラーブ外相とドイツのハイコ・マース外相にロシアがウクライナとロシアの北・東の国境やクリミアで兵力を増強していることを伝えた。クレバ外相は、「ウクライナは東部での緊張情勢を激化させたくない。我々は戦争を望んでおらず、それどころかウクライナは常に平和を求めてきた。また、ウクライナ政府は、ロシアに併合された領土(クリミア)を外交的な方法で取り戻すことを約束している」と強調した。

 バイデン米大統領は2日、ウクライナのゼレンスキー大統領と初会談し、米国はウクライナの主権と領土保全を強固に支持していると述べた。

(翻訳・徳永木里子)