「新疆綿を不使用」のため、中国でボイコットされたスウェーデンの衣料品大手H&Mは1日、中国は非常に重要な市場であり、中国にいる仲間と協力し「現在の課題」に対処するために努力を惜しまず、同地域の消費者の信頼を取り戻すよう努めていくという声明を発表した。同声明では、新疆ウイグル自治区の綿花を使用するかどうかについて言及しておらず、中国やその他の地域で責任ある調達業者になりたいと述べた。
北京当局は同声明に満足していないようである。中国中央テレビ(CCTV)は、H&Mの500字近い声明文が「空虚な言葉で誠意に欠ける二流の広報文章」だと非難した。そして、攻撃的な外交スタイルを貫き、「新疆綿を不使用」は「H&Mが発起した重要な問題」として、H&Mに消費者への謝罪を要求した。
中国共産党中央政法委員会の公式ニュースサイト「中国長安網」はウェイボー(Weibo)で、「中国の消費者は、きれいごとではなく、商品の成分表示を読む」とコメントした。
また、公式メディア「参考消息」はウェイボーで、H&Mが新疆綿に関する立場を未だに積極的に明らかにしておらず、新疆から原材料を調達しないというこれまでの主張を説明していない、声明文では「新疆」という言葉すら出てこなかったと指摘した。
スウェーデン紙「ダーゲンス・ニュヘテル」1日付の報道によると、H&Mのヘレナ・ヘルマーソン最高経営責任者(CEO)は株主総会で中国での20店舗を閉鎖したことを報告した。ヘルマーソン氏は中国で閉店の理由やボイコットについてより明確に説明することが期待されていたが、現段階で中国市場の状況について多くコメントできない、とメディアの理解を求めた。
スウェーデン・テレビ(SVT)の経済評論家であるクリスティーナ・ラーゲルストレム氏はヘルマーソン氏の対応について、「コメントを控えることは、欧米の通常のやり方と異なり、中国のやり方に類似している」と分析した。
ラジオ・スウェーデンの中国評論家であるハンナ・サールバーグ氏は、中国での閉店に関するヘルマーソン氏の発言は、ボイコットが政治的に動員されたことを示唆していると考えている。
(翻訳・徳永木里子)