米ウィリアム・アンド・メアリー大学付属の研究機関は3月31日、中国共産党(以下、中共)による中低所得国への融資に関するデータベースを公開した。データによると、中共は中低所得国のへの融資取引の条件に異常に秘密主義的であり、借り手は他の債権者への返済よりも中国国有銀行からの融資の返済を優先させなければならないという。
ロイター通信は3月31日、米ウィリアム・アンド・メアリー大学傘下の研究機関「AidData」が、3年以上の時間を費やし、中共政府の中低所得国への融資に関するデータベースを作成し、中共と中低所得国24カ国との間で締結された100件の融資契約が含まれていると報じた。これらの中低所得国の多くは現在、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の流行による経済的影響で、債務負担が重くなる苦境に陥っている。
77ページに及ぶ報告書の分析によると、中共の融資契約にはいくつかの異常な特徴がある。借り手が融資条件を開示できないような秘密保持条項や、非公式な担保取り決めで他の債権者よりも中国国有銀行が有利になっていることなど、これらの契約は中共が融資の取り消し、あるいは返済を早めることに大きな余地を残している。
グローバル開発センター(CGD)のベテラン研究員で、報告書の共同著者であるスコット・モリス氏は、今回の調査結果がG20サミットにおける中共の役割に疑問を引き起こしたと述べた。
これに先立ち、G20サミットは、貧しい国々が新型コロナウイルスの蔓延による財政圧迫に対処するために、債務負担の再構築を支援する「共通の枠組み」に合意し、民間債権者を含むすべての債権者を平等に扱うことを求めた。
しかし、モリス氏は、評価した契約のほとんどが、債務者が他の債権者と対等な条件で貸付契約を再構築することを禁止していたという。
モリス氏は、「同禁止令は注目を集めたが、中国(中国共産党)がG20サミットで行った約束に反しているように思える。中共は貸付契約で決められた条項を全く実行しないだろう」と述べた。
(翻訳・藍彧)