特急列車「タロコ号」(Winertai, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 台湾東部の花蓮県で4月2日午前9時30分(日本時間10時30分)ごろ、 特急列車「タロコ号」 が走行中に、線路内に入った作業トラックと衝突して脱線した。運転士を含む少なくとも48人の死亡が確認され、100人以上が病院に搬送された。中にいた日本人親子が軽傷だという。今も救出作業が続いている。

 自由時報によると、台湾は今週末がちょうど清明節(日本のお盆に相当)の連休で、台湾鉄道局はすべての工事を一時停止にした。今回特急列車と衝突したのは積載形トラッククレーンで、外注の工事責任者が脇線路に止めてあったもの。工事現場まで本来は歩いて行ける距離に、不思議にも同責任者は積載形トラッククレーンに乗って行き、特急列車が通過する斜面のある脇線路に止めた後、滑り落ちて大惨事となった。捜査当局は同工事責任者から事情聴取している。

 大型連休と重ね、 観光客と帰省客で満車の特急列車「タロコ号」は8両編成で、乗客は約350人。衝突地点はトンネルに入る直前だったため、6車両がトンネルの中に入ってしまい、救出作業が難航している。

 菅義偉首相はツイッターで「 台湾東部において列車脱線事故が発生し、多数の死傷者が出ているとの報に接し、大変心を痛めています。亡くなられた方々への御冥福を心からお祈りすると共に、被害に遭われた方に対し、心からお見舞い申し上げます」とお悔やみの言葉を述べた。

 台湾現地メディアによると、花蓮県にある35ものホテルや旅館が被災者の親族にただで宿泊を提供するという。

(翻訳編集・北条)