ビル・クリントン元米大統領の顧問を務めたナオミ・ウルフ氏は、最近話題になっている新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)のワクチンパスポート(注)の義務化について、「計画通りに進めば欧米で人間の自由がなくなる」と懸念している。
ウルフ氏は28日、FOXニュースに対し、「それらのプラットフォームができることを知らなければ、『ワクチンパスポート』は良いもののように感じるかもしれません。私はハイテク企業のCEOであり、それらのプラットフォームで何ができるかを知っています。ワクチンもウイルスも関係なく、個人情報が問題なのです。一旦ワクチンパスポートを実行すれば、あなたはシステムの一部になることを余儀なくされてしまいます。人々が理解すべきなのは、他のいかなる機能もプラットフォームにアップロードできるということです。つまり、Paypal(ペイパル)アカウントやデジタル通貨と結合できます。マイクロソフトはすでにペイメントプランとの結合を検討しています」と述べた。
同氏は、ワクチンパスポートはただのワクチン証明書ではなく、人が社会に認められるか、あるいは疎外されるかを決定できるものであり、市民社会の終焉につながると考えている。
ワクチンパスポート計画と中国共産党による中国人への支配について、ウルフ氏は「中国では、中国共産党政権は反体制派を5分以内で見つけ出せるが、アメリカでも数ヶ月後このようなことが起こる可能性がある」と懸念を示した。
先週末、ワシントン・ポスト紙とABCニュースは、匿名の情報源を引用し、バイデン政権が全国的なワクチン通行証基準を策定し、全米で展開しようとしていると報じた。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は29日、ワクチンパスポートの義務化を発表していないことを明らかにした上で、「それは民間企業が推進すべきものだと考えている」と述べた。
現在、すでに複数の国がワクチンパスポートを利用している。イスラエルは2月にジムやホテルに入るためのワクチン通行証を導入した。アイスランドは外国への渡航が可能なワクチンパスポートを使用しており、サウジアラビアはアプリでワクチン接種者用のパスポートを提供している。
注:ワクチンパスポートとは、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けていることや検査結果が陰性であることを示すデジタル証明書のことである。
(翻訳・徳永木里子)