ブラック・ライヴズ・マター(BLM)の抗議活動(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 米メディア「デイリー・コーラー(The Daily Caller)」28日の報道によると、中国共産党の統一戦線組織が2014年以降、米国の歴史的黒人大学(HBCU)や連邦議会黒人議員幹部会(CBC)に接触し、密接な関係を築いていることを米政府関係者が明らかにした。

 歴史的黒人大学とは、アフリカ系アメリカ人を教育するために1964年以前に設立された高等教育機関である。公立、私立、2年制・4年制、医学部、コミュニティ・カレッジを含め、アメリカには105の歴史的黒人大学が存在する。

 中央情報局(CIA)のウィリアム・ジョセフ・バーンズ長官は2月の上院の指名承認公聴会で、カーネギー国際平和基金を率いた時期に、中米交流基金(CUSEF)の活動の疑問点を証言した。同氏は、CUSEFが中国共産党組織と関係しているため、「中国共産党の影響力行使」を懸念して同基金との関係を絶った。

 CUSEFは中国共産党統一戦線工作部の傘下組織と見なされ、香港に拠点を置いている。

 報道によると、同基金はワシントンD.C.を拠点とするコンサルタント会社「ウィルソン・グローバル・コミュニケーションズ」を通して、HBCU及びCBCに連絡を取っている。

 2017年1月以降、CUSEFは「ウィルソン・グローバル・コミュニケーションズ」社に66万7,641ドル(約7388万円)を支払い、「米国民に選出された議員との接触を含み、交流及び広報サービス」を提供してもらっている。また、同社はCUSEFの資金援助を受けている大学生及びHBCU指導者の中国旅行を手配し、CUSEFとCBCの連絡を協調していた。

 「中国共産党の傘下組織が米国機構に接触するのは、自らの利益のために米国の政治、経済、文化の発展に影響を及ぼそうとする中国当局政策の一環だ」とバーンズ長官は述べた。

 マイク・ポンペオ前米国務長官はかつて、米国における中国共産党機構の活動に言及したとき、「中国共産党は 『友好 』という名義の下で、米国の機構と接触しているが、米国の利益にとってはそれほど 『友好 』ではない」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)