米アラスカ州南部のクニック氷河の近くで27日夕方、エアバス社製の(AS350 B3)観光ヘリコプターが墜落し、5人が死亡、1人が重傷を負った。チェコの大富豪で、チェコの投資会社PPFグループNVの創始者であるペトル・ケルナー氏は、56歳でこの事故で亡くなった。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ケルナー氏は同日、観光客2人、ガイド2人、パイロット1人と一緒に観光用のヘリコプターに乗り込んだが、時間内に戻って来なかったという。 同日夜10時に救助隊が連絡を受けて捜索したところ、クニック氷河の近くで墜落した破片やケルナー氏ら5人の遺体、重傷者1人を発見した。事件は現在調査中である。
ケルナー氏は、中国共産党の背景を持つ中国華信能源(CEFC)グループの元CEOである葉簡明氏との関係が深かった。彼の傘下の捷信グループ(CEFCの子会社)は、中国で唯一の完全な外資系金融会社である。
香港メディア「Initium Media」は昨年11月、チェコのミロシュ・ゼマン大統領がケルナー氏と葉簡明氏の協力を得ており、2014年から中国共産党と頻繁に交流し始め、多くの協定を締結し、中国政府の「一帯一路」計画のチェコとヨーロッパへの進出を推進していたことを明らかにした。
チェコのメディアの報道によると、2000年1月、チェコのゼマン大統領は、中国共産党の駐チェコ大使とともに、チェコの元上院議長に圧力をかけ、議長の台湾訪問を阻止したという。
チェコの元上院議長・ヤロスラフ・クベラ氏は、台湾を訪問する前に突然死した。未亡人のヴェラさんはチェコのメディアにその面会について説明する際に、クベラ氏は中国代表と「非常に不愉快な対談」を行ったと述べた。その後、クベラ氏の遺品を整理する際に、家族はスーツケースに中国大使館とチェコ大統領府からの2通の手紙が入っているのを見つけた。どちらの手紙も、2月の台湾訪問をキャンセルするようクベラ氏に脅迫していた。この2通の手紙がクベラ氏の突然死の原因であるとヴェラは信じている。
2018年、習近平氏と江沢民氏の権力闘争に関与したとして、葉簡明氏が習近平氏に逮捕された後、PPFグループNVと中国中信グループ(CITIC)は、チェコと中国の「新シルクロード」計画の一環として戦略的覚書を締結した。
英国のガーディアン紙は今年1月5日、ケルナー氏が中国共産党のチェコへの影響力行使に協力し、中欧諸国での中国共産党のイメージアップに貢献した疑いがあると報じた。
(翻訳・藍彧)